独自の切り口から幅広い分野の批評活動を展開する文化人類学者、今福龍太さんのバンカートスクール講座が始まりました。スクールでの今福講座は、2010年春開講の「スキャンダル考」に続き2回目です。前回は先端的芸術が社会に生まれ出る有り様をめぐり、アメリカの批評家スーザン・ソンタグを取り上げました。今回は、近刊の著書「ジェロニモたちの方舟」をテキストに「〈叛アメリカ〉の知的戦士たち」と題して連続講座を行います。初回はヴィム・ヴェンダース監督のドキュメンタリー「セバスチャン・サルガド」を一部鑑賞し、映像と写真の根源にある課題についても言及しました。挑発的なテーマに集まったスクール生は大人数ではありませんが、氏の静かで軽妙な語り口で進められる講座は、次代の鼓動に耳を澄ます、まさに現代の「寺子屋」のようです。