BankART出版紹介 vol.14『幸田千依 Chie KODA』

これまでに数多くの個展やプロジェクトを行ってきた、日本の画家、幸田千依。BankART UNDER35に際して、2013年に発行されたこのカタログには、幸田が2010年から2013年までに柏、別府、台北など様々な場所で作り上げた、どれも水・プール・人の群れをテーマにした作品が数多く掲載されている。

本カタログには幸田の作品掲載の他にも、複数見所がある。
まず一つ目に、カタログ前半部分の、幸田による製作の際を振り返ったテキストである。作品が生まれるまでの時間をどう過ごし、どのような過程で最終的にその形の作品が出来上がったのかが記載されているこのページは、作品を楽しむ上で必要不可欠な要素をふんだんに含んでいる。

二つ目は、芹沢高志と幸田千依による対談、『「見る」ことと「描く」こと』である。幸田の作品の大きなテーマである、水、プール、それから人間社会。幸田がどのようにしてそれらのテーマに出会い、絵に描くまでに至ったのかが事細かく言葉にされている。ただ一つの作品やその説明書きをみるだけではわからない、幸田の全ての作品に込められた想いが込められたこの対話は、幸田のこれまでの作品、そしてこれから生み出されるであろう作品を楽しむ上で、とても重要になるだろう。

幸田千依の作品に込められた想い、それから幸田らアーティストの手からどのようにして作品が生まれるのかに興味がある方には、ぜひ手に取ってほしい一冊である。

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幸田千依 Chie KODA(2013年3月発行)
A4判 20ページ
¥200円(税込)
ご購入希望の方は、ホームページをご覧ください。
http://www.bankart1929.com/bank2020/book/index.html