2022年3月27日~29日 @BankART Station
主催者側花柳執筆
以下、主催者からのレポートを掲載します。
シリーズ『夢の浮橋』は、日本が世界に誇る古典文学の一大傑作「源氏物語」を現代のアートのフィルターを通して今に蘇らせる試み。
SPACE FACTORYはこれまで都内や県内の様々なスペースで、音楽、美術、演劇、舞踊の異なるジャンルのアーティスト達のコラボレーションにより、その場にしか存在しえないオリジナルのアート空間を創り出し、観客が演者と同じ空間に身を置き“ナマのアートを身近で体験”できるパフォーマンス公演を展開している。
今回上演した「第1章 苦悩の春」では、若き光源氏の華々しくも悩ましい“春”の時代を彩った4人の女性、藤壺の宮・六条御息所・葵の上・空蝉の君が登場。光源氏と結ばれながらも、結局は彼のもとを去り、彼の心に後々まで深い傷を残した、性格や境遇、愛の形の全く異なる4人の女性たちの、若き光源氏を廻るそれぞれの愛憎を描き、いつの世も不変で現代にも通じる、様々な状況に置かれた女性達の生き様を「源氏物語」を通して表出した。
本公演は、昨年度コロナ禍で予定の県内会場が使用できず都内でごく少人数に限った1公演のみという不本意な形での提示となった本作品を、開催を県内横浜に戻し、会場のBankART Stationに合わせた企画・演出でのリベンジ開催であった。
ご来場の方々からは、コロナ禍で控えていた『ナマのアート』に接する機会を得られたことへの謝辞・賛同のご意見を多く頂戴した。感染状況が不透明な中での開催ではあったが、当企画を遂行したことには大きな意義があった。