【アートラーニング・インタビュー #3】BankART Life7 参加アーティスト・磯崎道佳 by BankART実験広報部

こんにちは、BankART実験広報部の鄧です、今回は北海道に住んでいるアーティスト、磯崎道佳さんにインタビューさせていただきました。

磯崎さんの作品「机は昼にテーブルになった – smile on the table」という作品は展示されています。作品のコンセプトなどを中心に紹介していきたいと思います!

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Q.自己紹介お願いします

磯崎:磯崎道佳と言います、アーティストです。今北海道のニセコ町というところに住んでいます。BankARTが立ち上がる前から、亡くなった前代表の池田さんが企画する展覧会に呼ばれたり、一緒にプロジェクトもやったりしていました。

Q.今回展示している作品について教えてください。

磯崎:BankARTでおこなわれているパブリックアートテーブルというプロジェクトの作品ですが、学校の机を集めて、この地域に住んでる人の顔をテーブルに彫り込んだ作品です。来た人がそこにある笑顔を擦って持ち帰ることができる、というプロジェクトを展開して、今はBankARTステーションの方に展示しています。

Q.なぜこの作品をつくったのですか?

磯崎:学校で、みんなが個人で使ってる机が、お昼休みとか休み時間になるとその机が集まってテーブルに変わるっていう瞬間がすごい好きで、それは僕にとっては一番オープンな場所に思えたんです。みんな食べながらワイワイして、それまでは規律がある空間が急にリラックスした空間になる感じは、自分にとってすごく理想的です。その空間を再現したくて、この作品をつくりました。

よく学校って女の子たちが机並べてお菓子を食べるじゃないですか、僕らひねくれ者だから、外れたところで二人とか、男の子連中だけで「なんか楽しそうだな」と思ってる人だから。あれを見ていいなと思って。そして僕の母親がケーキ作りが好きだったから、何となく作り方がわかったので、ケーキを持っていて「食べる?」って聞いたら、「あっ、食べる!」って、僕もその場に入れたんだよ。もし僕は「お肉を焼いてきたけど、食べる?」とか「鍋物を作ってきたよ」ってぽっと置いたら、多分食べないよね。鍋物とかそれこそ肉焼いてきたっていうのは、もうちょっと、なんだろうなぁ…生きるための食事だから、それより、リラックスして楽しむということなら、ケーキとかクッキーじゃないとできないなって思って。だからお菓子はみんなの共有物だと思っていて誰でも食べていいと思う。僕はミスタードーナッツが好きで、あそこでいろんな人が何時間も会話してる、でも目の前にはドーナッツとコーヒーだけなわけ。あれが面白いな。アートってそういう生活のところに会話が生まれる空間をつくる、生活を豊かにする力を持ってるものだと思う。

Q.なぜ人の顔をテーブルに彫ったのですか?

磯崎:やっぱり特にコロナだったからですね。マスクして口元が見えなかった時期があって、この作品はちょうどコロナの規制が開けた時だった、その時一番必要なのは目だけじゃなく、顔全体を使った笑顔、それをもう一回集めたいと思った。2023年っていう年だから特に顔がオープンで、口も開いてる状態を記憶として机に彫りたいと思ったんです。

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テキスト:鄧 写真:Jung

磯崎道佳さんの作品や情報はこちらから見ることができます👉@isozaki_michiyoshi