台北市・横浜市アーティスト交流プログラム2017 王 仲堃 「新声/新聲/New Sounds」2018年3月23日

台北市・横浜市アーティスト交流プログラムで、2月からBankART Studio NYKのスタジオ内で制作を続けてきた王 仲堃(ワン・チュンクン)氏の滞在成果の発表となる展覧会「新声/新聲/New Sounds」展が始まりました。彼は今までコンピューター・プログラムを用いて音を発する作品を作っていましたが、今回は横浜でインスピレーションを受けた風と水を用いて、音を発する作品4点を発表しました。

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定食屋「花菱」閉店 2018年3月20日

BankART Studio NYKの目の前にあった、とてもおいしい定食屋「花菱」さんが3月15日で閉店した。焼き物、煮物、さしみ等の和はもちろんのこと、メンチカツ等の洋など、どれをとっても丁寧な品のある味付けは、近隣のビジネスマンに絶大な人気を誇った。また、BankART Studio NYKで展覧会を行うアーティストたちも、皆、ここの定食を喜んでくれた。それもそのはずで、先代の寡黙だったご主人は休みの日には、遠方まで安いおいしいお米を買い付けにいったりと、頭が下がる努力を日々淡々と行っていた。
私たちもあと20日ばかりで撤退。まさか、お世話になったここがシンクロしているとは。

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BankART妻有の雪おろし 2018年3月15日

今年も我が「BankART妻有」の雪おろしを現地の事務局にお願いした。今年は雪が多い思っていたが、3回ですんだそうだ。BankARTでも大分前に一度だけ自らトライしたことがあるが、素人には危険で大変、交通費をかけて、へとへとになって帰ってきた記憶がある。こうして横浜で活動しているあいだにも、建物と作品を守ってくれている人がおり、システムがある大地の芸術祭。3年に一度はもちろんのこと、毎年開催している季節ごとの催し、それからこうした人がみていない場所での丁寧な仕事。遠くにいながらも心がつながる、感謝の気持ちで一杯になるお祭り(日常)だ。

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写真提供:大地の芸術祭事務局

バンカートスクール 2018年2-3月期について 2018年2月28日

今期のBankART スクール、前半が過ぎようとしているが、濃い授業が続いている。建築列伝は、磯・五十嵐先生の緻密なコーディネートにより、歴史的な建物を担当した専門家が次々に登壇し、深い詳細の話を披露してくれるし、これから建築界を引っぱっていくような若い意気のいいチームを紹介してくれたり、とても豊かだ。写真についても、猛者が連続して登場し、ご自身の話が中心ではあるが、写真についての根本的な視点を情熱的に語ってくれている。山田正亮をキーワードにモダニズムの歩み、視点についての理論をきちんとお話いただいている早見先生のゼミも好評だ。村田+和田先生の美術館についてのゼミは、毎週登壇も交代しながら進んでいるが、内容的にも建物とコンテンツを往来しながら展開されていて、美術館の様々な断面を見せてくれている。ブルースは、BankARTでは異色のゼミだが、古い音楽をレコード盤等もかけながらのゼミは楽しい。
これから、まだまだ続くが、息が切れないように、しっかりと推進していきたい。

五十嵐太郎+磯 達雄 「横浜建築列伝4」
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萬代恭博(坂倉建築研究所、神奈川県庁新庁舎ほかについて)

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田村圭介(昭和女子大准教授/元 FOA、横浜客船ターミナルについて)

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冨永美保(トミトアーキテクチャ、CASACO について)

写真ゼミ
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楢橋朝子

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飯沢耕太郎

早見 尭ゼミ
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村田 真+和田菜穂子ゼミ 「美術館の読み方、楽しみ方2」
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鈴木啓志ゼミ ブルース
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TAVに滞在中の山下拓也さんからの便り 2018年2月22日

引き続き、台北(TAV)に交換AIRに滞在している山下拓也さんです。

以下、作家より

TAVに滞在中の山下拓也さんからの便り(1) 2018年1月29日
今日で二週間経ち生活は完全に慣れました!
ご飯美味しいです!アトリエがデカイです!
先週アーチストトークをしました。自作のプレゼンです。
そのトークで作品を見せたとこと、みんなかなり食いつきが良くてびっくりしました。みんなだいぶ面白がってくれていました!同じレジデンスに来ているイングランド出身の同い年のアーティストも彫刻出身で、彼はニューヨークなどでも個展をしていて、彼からアートの情報をよく得ています。
「君の作品は労働と日本的なサブカルチャーで、それが変な感じでミックスされていて、まだ細かくは解析しきれないけどとにかくアメージングだ」と彼は言ってくれています。
イングランドの彼と、他にアメリカ・オークランド出身の女の子がいて彼女も彫刻出身で、二人とも彫刻にパフォーマンスを絡めて表現しています。
それぞれイギリス、アメリカのアーティストですが、二人とも同じような考えを共有しているように思うので、その辺り、美術史を探って自分なりに解釈したく、参考作家や文献いくつか探して目を通しておます。
あとは Liam Morgan が今トレジャーヒルに滞在しています。彼はBankARTでも展示していましたよね!作品見ました。僕とカトリーナ(ニュージーランドのアーティストです)のみ交換で、あとの作家はオープンコールで応募したと言っていました。
今週末に展覧会のプラン提出があり、ちょっとバタバタしていますが、その全てが楽しいですよ。大きなぬいぐるみのような彫刻を作り、それで水を運ぶ作品を作ろうと思っています。よくわからないと思いますが、、、ちょっとやって見ます!
展覧会は3月9日~26日です!その前にオープンアトリエが2月10日にあります。
スタッフはマーベルっという同い年の子がついてくれています。とても丁寧です。
BankARTはどうですかとちょっと心配していました。
こちら2月1日がお正月で、街がなんだか賑やかです!
他にもいろんな国から作家がきているし、台湾のアート関係者も必ず展覧会には来るそうなので、積極的にアピールしていけたらな!っと思います。

山下拓也さんからの便り(2) 2018年2月18日
台北滞在一ヶ月経ちました。
3/9からの展覧会に向けて制作しています。
昨日がお正月でそこらじゅうでバクチクが鳴り響いていました。正月は飲食店が閉まるのでボランティアスタッフの方がぼくのご飯を心配して、大量の鍋を作ってくれました。
先週はオープンアトリエがありました。ぼくはアトリエで制作作業をパフォーマンス的にやっていたので全ての人に挨拶できてはいなかったのですが、ペルーの方から後からフェイスブックでオープンアトリエみましたと連絡があり、もし良ければペルーにレジデンスに来て下さいとオファーもらいました。財政的に航空券代を出すのは厳しいが、現地での食住は提供してくれるとのことでした。レジデンススペースはペルー/リマにあり、写真で見た感じでは良さそうな所でした。彼女はそのスペースで働いているそうです。
明日は台湾のアーティストがパーティーをするそうなので行ってきます。一人で自分の制作について考える時間と場所があるのが本当にありがたいです。日本の細かいことを一旦よこに置いといて自分と向き合えています。
また連絡いたします。

台北市・横浜市アーティスト交流プログラム2017(年度)アーティスト来日 2018年2月21日

王 仲堃 Wang-Chung-Kun(ワンチュンクン)
2018年2月21日〜3月30日(滞在期間)

今年で12年目を数える台北市のTAV(Taipei Artist Village)との交換AIRプログラム。作家本人のニ子誕生で来浜が遅くなり、短い滞在期間になってしまったが、BankART Studio NYKの2Fのスタジオにインしてから早速、活発に活動を開始している。国立台北藝術大学では彫刻を専攻したが、独自に勉強したという音楽を中心に作品は構成されており、ひとことでいうとサウンドアートの世界を構築しているといえよう。聴いて嬉しくなり、見て楽しくなる王氏の新作が、ここ横浜でも誕生することを期待したい。3月23日(金)11時から、個展を開催する予定。

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TPAM2018(国際舞台芸術ミーティング in 横浜)が終了。 2018年2月18日

横浜関内地区の施設を中心に開催されていたTPAM(国際舞台芸術ミーティング in 横浜/2.10-18)が終了した。連日大賑わい、どこの国に今自分はいるんだろうというような印象をもってしまうほど海外の人たちの参加が多いプロジェクトだった。多彩なプログラムの各々の内容については、BankARTの事務局としては把握していないので、ここで触れる訳にはいかないが、自由な雰囲気のミーティングやカフェの様子から、このプログラムの豊かさが十分に伝わってきた。また、このプログラム、全体の仕組みもよくできていて、市や県の大型の施設を借り上げ、主には国(国際交流金)からお金を出してもらい、しかもここで出会った演目や関係が、海外に紹介され、売れていく(見本市たる由縁)という、ある意味で理想的な関係で推進されている。こうしたしなやかな構造をもつパフォーマンス系のプログラム、今後も続く事を期待したい。

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photo by Hideto Maezawa

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BankARTスクール 2017年度2~3月期開催 2018年2月14日

BankARTスクールの2018年2~3月期が始まっている。写真、横浜建築列伝、美術館論、モダニズム、ブルース等、生徒の集まるおなじみのテーマもあれば、めったに手を出さない少数派の領域まで並んでいる。このNYKでの開催はこれで最後になるので、少し寂しい雰囲気があるが、まあ淡々とゼミは進行している。
スクールの広がりは、ゼミの内容からだけではなかなか想像できない。思わぬ領域まで展開されることがあり、その辺がやっていて、わくわく感もあり、継続していくモチベーションになっている。ゼミの内容をベースに出版物(書籍)が発刊されたり、グループ展を開催する等は、ごく普通にあるし、ゼミで集まったメンバーで新しいチーム活動が始まったり、スクールのあり方そのものに興味をもち、もっとうまく展開して、ご自身でスクールを創立経営したり……。

次の場所にいったら、どんなスクールを展開するか。まだ考え中だが、少なくともやめるつもりは毛頭ない。BankARTスクールは、案内の巻頭文にもあるように、江戸時代の寺子屋を引いている。ロンドンの識字率が10%だった時代、現在みる地方の知性の豊かさから伺い知れるように、日本は60%を越えるそれを保持していた。自身で考え、自分の足で歩き、かつ共同で解決する精神とその伝統は、Bゼミスクールにも引き継がれ、BankARTでもリレーしきたつもりである。
スクールはどこでも、いつでも、だれでも、どんなときだってできる。学ぶ気持ちは動物としての人間の基本的な本能だからだ。

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五十嵐太郎+磯 達雄「横浜建築列伝 vol.4」
2/12ゲスト萬代恭博

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村田 真+和田菜穂子「美術館の読み方、楽しみ方2 全国編」

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「写真について」2/7新井 卓

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早見 尭 「見ることの誘惑ー山田正亮と『日本の現代美術』」

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鈴木啓志「トランプのアメリカとブルース」 

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