横浜台北交流事業2021年度「横浜台北交換AIRプログラム2016-2019」スタート

2004年度からBankART1929が継続的に続けてきた、横浜市台北市交換AIR(アーティスト・イン・レジデンス)。昨年度に引き続き、今年もコロナの影響で中止となった。その代替えのプラグラムとして、2016年から2019年の間に台北で滞在制作した3組のアーティストの成果展を開催。

片岡純也氏+岩竹理恵氏(2016年度滞在)は、問屋街などで手に入れた乾燥ナマコを使い、茶器を鳴らすオルゴールのような作品など、ところせましに作品が並んでいる。

山下拓也氏(2017年度滞在)は、台北の街中にある工事現場に描かれたグラフィティが工事終了後に解体され、別の場所で再利用されるときに、上下や文字列があべこべになった状態に興味を持ち、それらを撮り溜め、波板にその絵を再現。今回は、その記録写真とともに、横浜バージョンを展開。

細淵太麻紀氏(2019年度滞在)は、台湾の特徴的な風景のひとつである屋根付きの通路帯「停仔脚」に着目。通路帯の構造を利用して巨大なピンホールカメラを制作し、撮影を行った。今回は、そのシミュレーションとそこからの風景写真を展示した。 

3組とも共通しているのは、3ヶ月間よく歩き、たくさんの場所、モノ、人、食べ物に出会っていることだ。コロナ禍の中、遠くの地の夢とエッセンスが感じ取れる展示となっている。

0211-03.jpg

片岡純也氏+岩竹理恵氏の展示

0211-21.jpg

0211-23.jpg

0211-25.jpg

山下拓也氏の展示

0211-12.jpg

0211-14.jpg

細淵太麻紀氏の展示

0211-05.jpg

2/11[金]アーティストトークの様子

0211-28.jpg

0211-32.jpg

0211-41.jpg

0211-39.jpg

■展覧会概要

横浜台北交流事業2021年度

横浜台北交換AIRプログラム2016-2019

会期 2022年2月9日[水]~20日[日]

時間 11:00~19:00 最終日は17時まで

料金 入場無料

草月会神奈川県支部主催「情と/が by K.NAKADA」開催中

@BankART KAIKO

草月会神奈川県支部主催の展覧会「情と/ by K.NAKADA」を1/25()から1/27()までBankART KAIKOで開催している。日本華道の流派のひとつのいけばな・草月流。「花のピカソ」とも称された勅使河原蒼風によって創始された草月流は日本華道の中でも、とりわけ自由な作風を重んじており、植物を用いない作品があるほどである。これまでも展覧会新いけばな主義(BankART Studio NYK/2017)、Stationでのワークショップを2020年に開催するなどのお付き合いがある。

今回BankART KAIKOで展覧会を開催することになったのは、現代アートの世界に、華道がどれだけ通用するのかを、インスタレーションという表現形式で挑戦するのが理由とのこと。監修は、草月流本部講師、同草範会理事で、日本いけばな協会会員の中田和子氏が務める。展示前の4日間、現場で中田氏と門下生56名での制作をおこなった。今回は竹と糸を素材に展開していった。BankART KAIKOが、全国の生糸が集まった場所の復元施設を意識して、糸をセレクトしたとのこと。最初に細く、自由度の高い竹で、全体の骨組みを作り、次に太い竹をさらに張り巡らすことで、作品全体を強固にし、最終的に空間を切り込むかのような線の集合体が生まれた。「ただ竹を曲げて、立体を構成させたのではなく、竹の太さごとに曲線の角度を調整している。竹は、太ければ太いほど、強度はあがるが、曲線に制限がある。そして、細ければ細いほど、自由な曲線を描けるが、重力にしたがって歪んでしまう。」と、草月会神奈川県支部長、篠田岳青氏は語った。

image0.jpeg

image2.jpeg

IMG_0651.jpg
IMG_0652.jpg
IMG_0653.jpg
IMG_0654.jpg

ヨコハマみなとみらい物語Ⅲ みなとみらい21と都市デザイン室

2022年118日  @BankART Station

みなとみらい物語Ⅲの第2回目は、横浜市都市デザイン室室長梶山祐実氏が登場。
前半は、1960年代の飛鳥田政権から脈々と今に繋がる横浜市のまちづくりの歴史について、後半は、みなとみらい21地区の開発の概要が語られた。さらに、1971年に横浜市に「都市デザイン担当」が設置されて50年であることから行われている「50周年事業」のメインイベントとして、今年3月にBankART KAIKOで開催する展覧会の概要をお話しいただいた。

220118-005.jpg

220118-009.jpg

220118-010.jpg

220118-006.jpg

ポストバブルの建築家展開催

BankART Stationにて開催の展覧会です。

以下、主催者より

_____

一般社団法人日本建築設計学会は、「かたちが語るとき―ポストバブルの日本建築家たち(1995-2020)」展を2021年11月23日から2022年2月19日の期間で国際交流基金パリ日本文化会館で開催しています。この「かたちが語るとき」展は、2017年にアジール・フロッタンの内部において開催しようとした企画から始まっています。

アジール・フロッタンとは1929年に、ル・コルビュジエが救世軍の依頼によりリノベーションした船「ルイーズ・カトリーヌ号」の通称です。元はパリ市内に石炭を運搬するために1919年につくられたコンクリートの箱船で、その船を救世軍が買いとり第一次世界大戦の影響によりパリ市内に多くいた難民を収容する目的で避難所へとリノベーションしたものです。当時、コルビュジエの元に弟子入りしていた日本人建築家前川國男がこのプロジェクトを担当し完成させています。

その後、浮かぶ避難所はセーヌ川に100年近く浮かび続けてきましたが、2018年2月、セーヌ川が増水したことによるアクシデントにより、水面下に呑み込まれてしまいました。この窮地を救うため、前川國男が設計した縁もあり国際文化会館からの助成を受け、2019年3月からアジール・フロッタン復活プロジェクトがスタートしました。このプロジェクトの一環として「かたちが語るとき」展の企画を進め、国際交流基金パリ日本文化会館にて同展を共催することになりました。五十嵐太郎氏のキュレーションにより選ばれた35組の建築家(主に1960年以降に生まれ、日本で活動する建築家たち)により同展を共催することになりました.。このパリ展開催と並行して日本でも同展を開催する企画が始まり、昨年兵庫県立美術館において「ポストバブルの建築家」展(かたちが語るとき展企画時の日本語タイトル)として実現し、今回は横浜バンクアートで開始するする運びとなりました。会場構成は建築家竹口健太郎のデザインにより、アジール・フロッタンの船内の空間を想起させるインスタレーションとなっています。 

最後に、アジール・フロッタンは2020年10月19日に無事浮上しました。水没から2年8ヶ月水中にありましたが、セーヌ川左岸に再び姿を現したことをお知らせします。アジール・フロッタン誕生からおおよそ100年の時を経て、前川國男がとり結んだ奇縁により「ポストバブルの建築家」展が実現することになりました。ぜひ会場に足をお運びください。

_____

一般社団法人日本建築設計学会
「ポストバブルの建築家展-かたちが語るとき-アジール・フロッタン復活プロジェクト」
会期2022年1月12日[水]~2月19日[土]
会場BankARTStation
入場料700円
http://www.adan.or.jp/news/event/3283

_52_1215-HDR.jpg
_52_1224-HDR.jpg
_52_1233-HDR.jpg
_52_1239-HDR.jpg
_52_1245-HDR.jpg
_52_1251-HDR.jpg
©スターリン・エルメンドルフ

多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻 2019年度卒業生有志展示 「日の目を見る」

2020年コロナによって学外展が中止となった2019年度卒業の多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻の有志14名によるリベンジ卒業展だ。2日間という短い会期だったが、大学関の先輩、後輩、先生、企業関係者など400名を超える来場があった。まさに彼らの掲げた「日の目を見る」というタイトル通りの展覧会となった。それぞれの発表作品はもちろんのこと、今回は卒業制作を手掛けるきっかけとなったモチーフも展示していたり、売り物にしても問題ないレベルの装丁デザインの卒業展カタログなど、至る所に工夫が見られた。

IMG_2348.JPG
IMG_2357.JPG
IMG_2359.JPG
IMG_2363.JPG
IMG_2365.JPG
IMG_2367.JPG
IMG_2534.JPG
IMG_2536 2.JPG
IMG_6402 (1).jpg
IMG_6406.jpeg

「Borderlands」Responding: International Performance Art Festival and Meeting

BankART KAIKOにて、12/2123までパフォーマンスイベントを開催。
今年で3年目となるレスポンディング国際パフォーマンスアート芸術祭というチームの企画だ。彼らは今年6月に長野県諏訪盆地という山の境界地帯(borderlands)を捉え直すリサーチとパフォーマンスを実施。諏訪は生糸生産が盛んだった地域。その関係で生糸専用倉庫復元施設の一室であるBankART KAIKOで、リサーチの成果発表を行い、発信するというのが今回の目的とのこと。モニターを背負い、ただ黙々と歩き続ける村田氏。歌を歌いながら会場を回る前田穣氏。ドローイングパフォーマンスをするたくみちゃん氏など。各々が空間内でパフォーマンスをしていくなか、ときおりそれぞれが向かい合い、パフォーマンスが連鎖していき、予想しない展開へと進んでいった。儀式のようなパフォーマンスを鑑賞者が唾を飲み、じっと見つめる様子、ときには笑いが溢れる様子などが見られた。

IMG_2104.JPG
IMG_2134.JPG
IMG_2120.JPG
IMG_3736.jpeg
IMG_3718.jpeg
IMG_2116.JPG
IMG_2152.JPG
IMG_2111.JPG
IMG_2138.JPG
IMG_3711.jpeg
参加作家:村田峰紀、前田穣、たくみちゃん、濱田明李、瀬藤朋(舞台芸術制作者)、渋革まろん(批評家)、牧田義也(歴史家)、武谷大介

Theater Company ARICA『ミメーシス』

ARICAの公演をBankART Stationにて1215日から19日まで開催した。

今回は、本年創立20周年と記念して、大野一雄の「ミメーシス=模倣」によって、世界を震撼させた川口隆夫氏をゲストに迎えた新作公演だ。ステージ上には、安藤氏と川口氏の二人だけが登場。安藤氏が真っ赤なロープを通じて、川口氏に指示を送る様は、「教えと学び」からやがて、「加害と被害」「命令と服従」といったものを連想させる。緊迫した1時間の公演だった。20周年記念であること、そして広報活動も奏して、客席は連日大入だった。

arica2021-1.jpg
arica2021-2.jpg

『ミメーシス』

演出:藤田康城 
テクスト・コンセプト:倉石信乃
出演:川口隆夫 安藤朋子 
音楽:福岡ユタカ 
美術:高橋永二郎
舞台監督:菅原有紗(ステージワークURAK
照明:岩品武顕 (with Friends
音響:田中裕一(サウンドウエッジ)
衣装:安東陽子 
衣装製作:渡部直也
宣伝美術:須山悠里
協力:茂木夏子 前田圭蔵 山田規古
制作:福岡聡(カタリスト)