「都市デザイン横浜展 個性と魅力あるまちをつくる」開催

2022年3月5日~29日 @BankART KAIKO

横浜市デザイン室の展覧会「都市デザイン 横浜展」が始まった。50年間の横浜のまちづくりのアーカイブをこの600平米のカイコのスペースで見せるのは、正直にいうとちょっと無理があるが、展覧会としては、素直な理解しやすいシンプルな構成になっている。会場構成は本でいうところの扉(あるいはインデッス)でレイアウトされ、複雑で専門的になりすぎるところをうまく避け、一般の人にもすんなりと横浜が歩んできた道を、大らかに感じさてくれる展示になっている。また、空間的に足りない要素やエレメントのフォローとして、大判の非常に美しい映像がゆったりと投じられているのもすばらしい配慮だ。全体の印象として、強いていえば、もう少し手作業の部分が欲しかったのと、ディテ−ルにフォーカスした展示もあってもよかったと思う。

同時に発行した350頁に及ぶ本は、写真図版を多用した詳細な構成になっていて、50年間のぶれない横浜の「まちづくり」の多様性、デザイン性が、十分に伝わってくる緻密な構成になっている。入場チケット付きで3,000円というリーズナブルな価格設定は破格である。(一家に一冊は所有してほしい)

いずれにせよ、馬車道駅のオプション展示も含めて、これまで多く人々が関わりながら紆余曲折しながら歩んできた横浜のまちを、展覧会や出版物で紹介するのは随分遅くなってしまったが、世に問うことができてとてもよかったと思う。

おめでとうございます。

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みなとみらい線 馬車道駅で「都市デザイン横浜展」 

横浜市都市デザイン室の50年間の歩みを展示、出版、シンポジウで立体的に構成した催しが静かに始まっている。35日からのBankART KAIKOの展示に先がけて、馬車道の駅には、デザイン室の重要な仕事のひとつである「歴史を生かしたまちづくり」の成果、歴史的建造物の大型写真が、19日からゆったりとただよっている。実際には、ガンダムのプレゼンテーションと重なってしまい、どうみてもガンダムパワーの方が勝っており、横浜市の仕事はちょっと引いた感じで展示されているのがいかにも横浜らしい。

都市計画としては、1963年からスタートし、意志のある市長と優秀なアーバンデザイナーの連鎖で、この巨大都市は出来上がってきたのは事実だが、あまり固有名詞は目立つことはなく、「我が社横浜」がアノニマスに展開されてきたというのが正直な印象だろう。中身をみると、建築家では前川国男、坂倉準三、丹下健三、大高正人、村野藤吾、浦辺鎮太郎、槇文彦、伊東豊男、早川邦彦、内藤廣、等そうそうたるメンバーが、主要な建物を担ってきているし、まちづくり全体を牽引していた都市デザイナーにも、浅田孝、田村明、岩崎俊介、国吉直行、北沢猛、等、詳しく勉強している人以外はあまり知られていないが、豪腕なメンバーがそろっている。

ここまでほとんどアーカイブ本もつくらず、成果を世に問う事を行わなかった横浜が、ここにきて初めて、ゆっくりと穏やかに今迄行ってきた歩みを見せている。でもやはりこの晴れの舞台に、(コロナ禍の問題もあるにしても)レセプションも行わない横浜市。ここにいたっても、沈黙の意志表現を示そうとしているのだろうか?

皆で、静かに喜び、見守っていきたい。

展覧会は馬車道駅、BankART KAIKOにて。35日〜29

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改札を出たところに、各歴史的建造物のキャプションサイン看板を設置している。

BankARTスクール 福住 廉「アートの綴り方 vol.10」

2022年224 @BankART Station

美術評論家の福住廉による「アートの綴り方」を開講。「何をどう書くべきかをじっくりと考え、自分なりの言葉を確立させること」を目標にしたアートライティングの講座。

10回目となる今回は、全4回の短期集中で開催。

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横浜台北交流事業2021年度「横浜台北交換AIRプログラム2016-2019」スタート

2004年度からBankART1929が継続的に続けてきた、横浜市台北市交換AIR(アーティスト・イン・レジデンス)。昨年度に引き続き、今年もコロナの影響で中止となった。その代替えのプラグラムとして、2016年から2019年の間に台北で滞在制作した3組のアーティストの成果展を開催。

片岡純也氏+岩竹理恵氏(2016年度滞在)は、問屋街などで手に入れた乾燥ナマコを使い、茶器を鳴らすオルゴールのような作品など、ところせましに作品が並んでいる。

山下拓也氏(2017年度滞在)は、台北の街中にある工事現場に描かれたグラフィティが工事終了後に解体され、別の場所で再利用されるときに、上下や文字列があべこべになった状態に興味を持ち、それらを撮り溜め、波板にその絵を再現。今回は、その記録写真とともに、横浜バージョンを展開。

細淵太麻紀氏(2019年度滞在)は、台湾の特徴的な風景のひとつである屋根付きの通路帯「停仔脚」に着目。通路帯の構造を利用して巨大なピンホールカメラを制作し、撮影を行った。今回は、そのシミュレーションとそこからの風景写真を展示した。 

3組とも共通しているのは、3ヶ月間よく歩き、たくさんの場所、モノ、人、食べ物に出会っていることだ。コロナ禍の中、遠くの地の夢とエッセンスが感じ取れる展示となっている。

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片岡純也氏+岩竹理恵氏の展示

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山下拓也氏の展示

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細淵太麻紀氏の展示

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2/11[金]アーティストトークの様子

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■展覧会概要

横浜台北交流事業2021年度

横浜台北交換AIRプログラム2016-2019

会期 2022年2月9日[水]~20日[日]

時間 11:00~19:00 最終日は17時まで

料金 入場無料