「ラ・アルヘンチーナ頌」は、大野一雄が若き日に見たスペイン舞踊家「ラ・アルヘンチーナ」を讃えるソロ作品です。1977年に土方巽の演出で初演されました。今回の「リコンストラクション ラ・アルヘンチーナ頌」は、原作の構成と音楽に基づきながら、参加者がそれぞれの解釈で大野一雄の作品を再構築する試みです。演出家及川廣信氏、美術家森村泰昌氏、ストリートダンサーKentaro!!、俳優小沼淳氏。分野の異なるアーティストが、大野一雄をそれぞれの距離感と表現で捉え、「アルヘンチーナ頌」の世界に入っていく。それぞれの参加者の間では打ち合わせはほとんどなく、独立した場面が、大野慶人氏の監修で繋がっていきます。
さて「ラ・アルヘンチーナ頌」はリコンストラクションされたでしょうか。少なくとも、アルヘンチーナ頌と世界を共有する作品であったと思います。大野一雄さんの仕事は、さまざまの分野のひとに影響を与えながら、時にはこうした創作の糧になっていくのかも知れません。たった1回の貴重な公演に立ち会おうと、客席は超満員でした。