「Dialog – 柳 幸典との対話」Vol.7「群島へ」今福龍太 2016年11月11日

今福氏の文化人類学的視点がシナプスのように、柳氏の作品と思想に繋がっては広がり、彷徨い、またどこかで繋がるような刺激的な対話であった。
「secure(安全)」という言葉の裏には「監禁」という意味が潜んでいる。直線的最短距離を目指すしかない我々の経済社会は、結局のところこの「監禁による安全」によって成り立っている。この社会的なメカニズムと対峙することができるのは、群島的な時間軸・空間軸を浮遊し、脅迫的目的性から解放されることだと今福氏。それは「アート」に他ならないのであり、その思考のつながりこそ「群島」的だと。柳氏が島に惹かれるのは、それゆえなのかもしれない。

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