INSTANT OBLIVION

11月21日夜は、大野一雄フェスティバルシアター、3B劇場、3C劇場で「INSTANT OBLIVION」公演がありました。Dance Company BABY-Qのダンス、映像、音楽に灰野敬二氏も参加して、五感を揺すぶる爆発的エネルギーに、くらっとしてしまいました、INSTANT OBLIVIONとは、「瞬間的な忘却」ということ? 次々と溢れるように出てくるイメージと体の動きと音楽が、かっこいいだけでなく、ニヒルで虚無的。そういえば最近ニヒリズムって聞かない言葉ですね。やはりBABY-Qはアウトサイダーのパワーなのでしょう。一日だけではもったいない公演ですが、お能のように、一期一会だから強烈なのかも知れません。そこで「INSTANT OBLIVION」にもどりますが、「瞬間の中の永遠」といったら間違いでしょうか。

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大野一雄舞踏研究所見学ツアー

11月21日午後、一行7名、BankART車に同乗し、大野一雄舞踏研究所を訪問しました。研究所は、横浜の保土ヶ谷の住宅地にあります。木造平屋建て、間口3間奥行き6間ほどで、となりは大野さんの自宅です。舞踏家の大野慶人さんが迎えてくれ、いろいろお話しを伺いました。
研究所は1960年に建てられ、大野一雄さんが勤務していた立て替え中の捜真女学校から廃材や窓枠を貰って利用したのだとか。何回か改築をして、今は左右壁いっぱいに衣装、道具、研究資料、蔵書など収められています。
実際に大野一雄さんが使ったドレスを出して貰いました。帽子もたくさんあります。「帽子を被ると上の世界が出来るんです」と大野慶人さんの舞踏講義がはじまり、実際に被って体験してみました。
研究所では毎週火水土の夜にワークショップが行われています。経験不問のオープンクラス、誰でも参加できるそうです。
研究所ツアーは、11月27日にもう一度あります。お早めにご予約をお願いします。
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見たことがないワークショップ

BankART school で9月-10月期に開講した、飴屋法水さんの講座、「体の壁の前で考える」をそのまま大野一雄フェスティバルのプログラムとして組みました。「体の壁」は大野一雄さんも含め、身体の表現に関わる人の普遍的なテーマかもしれません。その「前」まで、まずどのように近づくことができるのでしょうか。参加者ひとりひとりと、ごくふつうの、柔らかいコミュニケーションから、飴屋さんの「考える」が始まる。こんなワークショップ見たことがないです。飴屋さんの作品も驚きだけど、ワークショップもやっぱり飴屋ワンダーランドでした。
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大野一雄フェスティバル2010 開幕

2004年から始まったフェスティバル第7回目がスタートしました。BankART Studio NYKの2階で「大野一雄の世界」展、3階をシアターにして様々の公演を繰り広げます。オープニング公演は、「Hallelujah!」(ハレルヤ)、笠井叡、高井富子、創作ダンスひまわり会で幕を開けました。先日まで、朝倉劇場だった3C Galleryのレイアウトを変え、「舞台を囲む客席」のある劇場にしました。晩年の大野一雄さんも、いつも360度観客がいる空間で踊っていました。空間を母の胎内に見立て、前も後ろも全部ひとつの世界という考え方でした。背中もひとつの世界です。そのせいか、「背中しか見えない」というクレームはなかったそうです。公演の後は、2階展示会場で、パーティを催しました。

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舞台を囲む客席

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笠井叡 

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創作ダンスひまわり会

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高井富子

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「アフリカx日本x世界:暴力を平和に変える空間」2日目

2日目となる、「アフリカx日本x世界:暴力を平和に変える空間」のイベントでは、「平和の空間」とは一体何かという視点で展開するシンポジウムを開催。ゲストで来日している建築家でモザンビーク共和国元文化大臣のジョゼ・フォルジャズ氏、ザンビア共和国家作り職人のムビータ・ムビータ氏によるレクチャーの後、グループにわかれてディスカッションしました。空間的ハード的な方法論だけではなく、人が豊かにくらすためにできるソフト面のアイディアも飛び出しました。最後に、プロジェクトの締めにアフリカンドラムが演奏され、リズムに合わせて皆さん踊りだし、みんなで輪になって終了となりました。2週間のプログラム、お疲れさまでした。

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「アフリカx日本x世界:暴力を平和に変える空間」1日目

「暴力の空間」を「平和の空間」に変えるために何ができるのかを、アフリカからゲストを招き、国際的に多様な参加者同士で話し合い、実践しながら学んでいくプロジェクト。11月1日から京都、石見銀山、広島、篠山と、日本各地を回り、最終地点としてBankART Studio NYKで2日間にわたりワークショップ、シンポジウムを開催しました。
1日目は、街を計画するワークショップ。「違う価値観を持つ者間の共生」や「限られた農地、限られた燃料などの資源供給、領域侵略」などといった紛争を想定し、グループごとにストーリーを考えながら粘土や段ボール等を使い街の模型を制作しました。グループワークの後は講評会。発表された作品は明日のシンポジウムでも展示されます。

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アルメニアの風に吹かれて

BankARTではおなじみのパーカッショニスト加藤訓子さんとアルメニア人バイオリニスト、モブセス・ポゴセシアン氏のコンサートがありました。PAは使わず、完全に生音で空間の響きを活かした美しい演奏でした。アルメニアという所がどんなところなのかまったくイメージできないのですが、ポゴセシアン氏の微妙にざらついたバイオリンを聞いていると、なんとなく風の感触がすーっと背中あたりを通ります。いつかアルメニアを訪れることが出来れば、きっとこの日のことを思い出すでしょう。

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BankART Pubの焼き菓子

BankART Pub、cafe timeのメニューには「LE CHANTIER」の焼き菓子があります。オーナーの久米さんは以前、食と現代美術で出品していただいた方でもあります。
現在は濃厚なブラウニーショコラ、ほんのり塩味の効いたふんわり食感のメープルバナナ、屋久島産の「たんかん」を使用したオレンジスライスジャム、季節限定のマロンの4種類。これらは最初から最後まで全て久米さん一人で作っているとのこと。手作りのなんとも優しい味わいのケーキです。

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写真はメープルバナナ。
食器は馬車道にあるギャラリー卯甲さんのお皿を使っています。
ティータイムのお茶のお供にいかがですか?

また、来週からは冬の定番「おでん」はじめます。お楽しみに。

搬出中

約2ヶ月にわたり、開催してきた大規模な展覧会「朝倉 摂展 アバンギャルド少女」が終了し、展示されていた作品群を搬出中です。大きな模型が展示されていた3Fの空間もこの通り。膨大なドローイングや資料もまとめて梱包され、朝倉アトリエに返されます。

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来週末から始まる大野一雄フェスティバル2010の開催にむけて、また搬入の作業がはじまります。

『ハーブ&ドロシー』佐々木芽生監督×フクヘン。トークショー開催

映画『ハーブ&ドロシー』の公開に先立って、佐々木芽生監督とフクヘン。(元雑誌BRUTUS副編集長鈴木芳雄さん)のトークイベントが開催されました。この映画は、佐々木監督初のドキュメンタリー作品。マンハッタンに暮らす郵便局員と図書館司書のごく普通の老夫婦が40年の歳月をかけて集めた4000点ものアートコレクションを国立美術館に寄贈するドキュメンタリー。
ハーブとドロシーの人柄のお話はもちろん、ジャンクアートで有名なジョン・チェンバレンへのインタビュー、音楽のオーディションでの苦労話、映画への想いなどなど、監督ならではのリアルなお話をお聞きする事ができました。
一方、雑誌『BRUTUS』の現代アート特集を作ってきたフクヘン。は、一般的な素朴な「現代アートってなに?」という疑問にこれまでの取材写真を交えて、話していただきました。
終了後は、サイン会と乾杯。とても楽しい会になりました。
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『ハーブ&ドロシー』は、11月13日(土)に渋谷イメージフォーラムで封切りとなります。全国で順次公開の予定です。横浜でもジャック&ベティで上映されます。必見です。