超満員の観客席、憲法条文が3人の女性に朗唱される中、笠井叡の熱いソロが展開されました。約1時間、笠井さんの体の動きと言葉が空間に溢れ、舞台も客席も張り詰めた緊張感に包まれました。憲法を朗唱するセーラー服姿の女性もいつしか巫女のようにみえ、笠井さんの踊る空間が聖なる場所に感じられます。笠井叡の醸し出す、なんともいえないふしぎな感動に観客はすっかり酔ってしまいました。「日本国憲法を踊る」というタイトルからも、踊り手の深い覚悟が感じられる、潔い、記念碑的公演になりました。
Event
大野一雄フェスティバル2013 観世榮夫七回忌追善 観世銕之丞「善知鳥」清水寛二「相聞」
観世榮夫氏は、かつて大野一雄とも共演し、2005年の大野一雄フェスティバルではオープニング公演をやって頂きました。2007年に惜しくも急逝されて早6年。氏を追悼すると共に、古典、現代演劇、オペラ、映画と幅広い仕事をされた氏の仕事を振り返るプログラムを開催しました。氏の愛した二つの作品「善知鳥」と「相聞」を観世銕之丞さんと清水寛二さんが演じられました。倉庫空間に本格の地謡が響き能が演じられるのはほんとうに圧巻です。その後、早稲田大学学術院教授竹本幹夫さんと演出家佐藤信さんを交えて、氏の業績とエピソードなど貴重な話しを聞くことができました。さらにこの日は、氏の書などの特別展示、氏の主演する映画上映などもありました。