土田俊介 個展

彫刻出身の土田俊介さんのアメリカ滞在研修(五島記念文化財団)成果発表の展覧会。
骨太で繊細な作品が、BankART Miniのコンクリートの空間に出現。「残虐でおぞましく見えたかと思うと、かわいらしく愛おしくみえたりするような感覚を与えられる」という土田さん。彼はその構造を「ファニー」と呼んでいます。タイトル「考えても作れないんだけど、考えていないと出会えないモノ。」はそこからきているそうです。
会期は今月30日(水)まで。地震の影響で延期になりましたが、24日(木)はゲストに湯原和夫氏を迎えてのトークセッションと交流会があります。ぜひご来場ください。

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東京綜合写真専門学校卒業制作展2011

東京綜合写真専門学校の有志による卒業制作展。
写真とは何かというテーマに対して各々が向き合い、インスタレーションや映像等、様々な表現方法を探りながら、展覧会に挑んでいます。
震災で他の卒業展がやむなく中止になりましたが、この展覧会は開催しています。
展覧会は、21日(月・祝)までです。是非ご高覧ください。

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「クリエイティブ」と「防災」

静かな夜です。赤レンガなど、周りの施設はほとんど全て休館しています。BankARTは、これで(あけていて)いいのかと自問自答しながら、省エネ体勢でオープンを続けています。4年前、「地震EXPO」の際に行なったシンポジウムのチラシに記した文章を取り出してみました。
シンポジウムメンバー
北川フラム、河田惠昭、日比野克彦、難波喬司、上原美都男、宮本佳明、北沢 猛(司会)

『クリエイティブシティとは、都市化が進み、老朽化、高齢化し、個人や家族や社会がますます分断していくなか、芸術を育むことを起点に、街をシェアし、楽しみ、創造性と協働作業を取り戻し、新たなコミュニティを創成していくプログラムです。一方、防災都市とは、防災施設が整っている、備蓄があるということだけではなく、ライフラインや食料が途絶えたとき、どうしたら米や水を配給できるか、どのように風雨をしのぐのか、あるいは、寝たきりの老人はどこにいるのか等の、知恵や力の共有や情報の伝達能力が最も問われます。一見すると相反するようにみえるこの二つの言葉「クリエイティブ」と「防災」は、究極の時、緊急の時、何が可能かという命題に対して、「創造性」と「協働性」というふたつのベクトルで、その解く鍵を共有しているように思えます。』

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てつそん

「TETSUSON 2011」てつそんが本日で終了した。てつそんを一言で説明すると、「国内外の大学卒業生有志からなる連合卒展」だ。昨年も多かったが、特に今年も韓国から29名もの学生が参加している。会期途中、震災に伴う津波警報で、半日閉館をしたし、その後も動揺が続いたが、最後まで無事オープンできたことに感謝。今回の展示は、いつもにまして作品を絞り込んだという感じ。その経緯は知らないが、ゆったりと空間構成がされていて、非常に見やすい展示になっていた。OB会があるのかないのか、それも知らないが、先輩なども見に来ていて、結構、伝統(縦つながり)のプロジェクトにもなってきている。
今回はみなとみらい線の馬車道駅にもトライした。高速鉄道さんの暖かいご支援のもと、サイン作品計画を実現した。地域にはみ出し、国内外と手を結びながらの「卒展」など、そう多くあるものではない。今後もネットワークが広がりそうだ。応援したい。

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地震

これまでに予想をしたことのない体験をした。
ゆっくりした横ゆれ。
たいしたことないとたかをくくっていたら、徐々にその振幅が広がり、建物がみしみしいいだし、これはやばいということになり、あわてて外階段を使って、みんな外に出る。なんとか揺れはおさまったし、建物そのものの損傷はなかったが、地震は本当に怖いということを思い知らされた。
そのあとは、何度かの津波。
あれよあれよと水位が上がってくるのがわかる。対岸の低くなっている場所は既に冠水しているし、怖くなってきて、BankARTショップの本などをみんなで移動する。なんとか冠水はさけられたが、自然の力の前ではなす術もないということを思い知らされる一日だった。新聞やニュースをみると、東北地方はこんなレベルではない被災状況。
何か私達にできることはあるだろうか?

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コレヨコ研究会 ゲスト:北川フラム氏

木曜の夜のBankARTスクールの「これからどうなる?ヨコハマ研究会」。略して「コレヨコ」のゲストとして北川フラム氏をお招きした。この4月から横浜市は、創造都市事業本部と市民局と経済観光局の一部が合体し、新しく文化観光局が発足する。どんな風に展開、構築されるか、我々BankARTチームもはらはらどきどきだが、その直前に北川氏に話をしてもらったことは得るところが大きかった。
北川氏といえば、越後妻有の大地の芸術祭や瀬戸内国際芸術祭を推進してきた立役者。氏の仕事を文化観光といっていいかどうかは別として、自閉的な論理で進んできた現代美術を野に放ち、市民権とその大きな可能性を見いだしてきたプロデューサーであることは間違いない。この日北川氏は、文化観光を特に強調することなく、日本文化の根っこのところ(外国との関係、国との関係、地域のあり方)を滔々(とうとう)と熱く語ってくれた。

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冬のBankART妻有

冬のBankART妻有。夏の季節のいいシーズンだけ活動して、調子のいい話だが、冬になるとからっきしだめ。特に今年は雪が多く、現地にいく勇気がでない。申し訳ないと思いつつも、いつも大地の芸術祭のチームに雪下ろしをお願いしている。この写真は、雪下ろしの前と後。ぱっと見だとわかりにくが、後では、2Fの外壁がなんとか見えているのがわかる。現地の様子を電話で聞くとまだまだ寒い日が続いているけど、ピークは過ぎたとのこと。4月になったら、まだまだ雪の中だろうけど、BankART妻有をたずねてみたい。

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TETSUSON 2011 パブトーク

卒業展のPubトークに、日本&韓国合同卒業制作展「TETSUSON 2011」が登場しました。
今年で11回目を迎えたTETSUSON。これまでに参加した学生は1700名、出品学校数は韓国やオーストラリアを含めて128校にのぼります。今年代表を務める長江健太さんより「TETSUSONとは?」からプレゼンテーションしていただきました。
また、本日トークに駆けつけてくれた、第1回2001年のコアメンバーの奥村光男さんは、まさかこのような形で進化しながら11年も続くとは考えていなかったと自分たちの代を振り返りながら話ました。また、現在横浜のFMラジオ局に勤めている2006年代表の難波千鶴さんから自分たちの代につくったシステム等の話などをして頂き、これからのTETSUSONにエールを贈りました。さらに2008年のコアメンバーの横須賀さんとライブ中継。交流+参加がとても多くなった韓国との関係や、韓国版TETSUSONのetteda!についての話を伺いました。
歴代の豪華メンバーのお話から、TETSUSONの全体像が見え、また今後にむけた大きな可能性を感じました。
今回でBankARTでは6回目。毎年メンバーが変わるにもかかわらず、脈々と受け継がれ進化を続けています。
展覧会が楽しみです。初日10日(木)19:00からはオープニングパーティが行われます。
ぜひ足をお運びください。

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奥村さん(左)と長江さん(右)

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難波さん

来週もパブトークは続きます。
次回3月14日(月)19:30〜。横浜国立大学建築学科+Y-GSA、東京綜合写真専門学校の皆さんがゲストです。

7周年記念日

すっかり忘れていたが、今日はBankART1929の7歳の誕生日。2004年3月6日、現在、ヨコハマ創造都市センターが活用している旧第一銀行で、眠い目をこすりながら、キックオフイベントを行なったことを思い出す。あれから引越と工事を繰り返すこと6回の、怒濤の歩みだったが、なんとかやってこれたのも、クリエイターや市民の皆さん、行政の応援や支援があったからだ。これから横トリ2011がはじまり、6月末からは、BankARTは再び新港ピアへ大移動だ。またきっと大変!今日は身内で小さなお祝いをしよう。

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2004年3月6日「BankART1929とクリエイティブ・コア」

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2011年3月6日 BankART Studio NYKにて

3つの卒業制作展 

現在、3つの学校が同時に卒業展を開催しているBankART Studio NYK。
それぞれの展覧会の様子をご紹介します。

□和光大学表現学科卒業制作展「0時間」(3階+Mini)
BankARTでの開催が、今年で3回目となった和光大学の卒業制作展。様々なタイプの作品が並び、その中でも、絵画、平面作品が多く出品されました。ASAKURAシアターもうまく使われています。
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□阿佐ヶ谷美術専門学校「creative garden」(2階)
映像、デザイン、絵画、インスタレーション等、様々なジャンルの作品が並びます。総勢約100名の参加です。色鮮やかな作品が並び、来場者を楽しませていました。
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□倉敷芸術科学大学日本画コース有志卒業制作展「無人島」(1階 NYKホール)
コンクリートの壁を活かした緊張感のある空間が日本画の作品をより引き立たせています。岡山の倉敷からの出品。日本画は公募展や団体における活動のイメージが強いが、今先端でアートを発信し続ける、横浜のBankARTで発表したかったとの事です。
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