専修大学ネットワーク情報学部の学生が主催する展示会。学生の活動や制作物を外部の方に発信したいと、学外開催にこだわっている。デザインやソフトフェア、映像など、学生が約1年をかけて準備した制作物のお披露目の場となるコウサ展は今年度で8回目を迎える。団体ブース発表やステージ発表、ポートフォリオ展示で、熱心にプレゼンテーションする学生が印象的だった。
BankART Pub Special Events Asako's Bar 2012
野菜ソムリエの佐々木麻子さんの「Asako’s Bar」が期間限定で再スタート。料理研究のために2年間滞在したロンドンから昨年9月に帰国。その後すぐに、BankART1929とSeoul Art Foundationとのアーティスト交換プログラムでArt Space GUMCHEONに約1.5ヶ月間滞在し、韓国料理の研究を行なってきた。1月29日(日)は、 ソウル滞在研究報告と初披露の韓国料理。馴染みのファンが集まってくれた。来週からも横浜野菜を主にした麻子さんの定番メニューのAsako’s Barが続く。2月3日(金)、2月17日(金)、3月2日(金)18:30-23:00
また、麻子さんより韓国滞在のレポートをいただいたのでご紹介します。
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2006年より約3年間、BankART Pubにて「Asako’s Bar」を営業してきたフードコーディネーター•野菜ソムリエの佐々木麻子です。昨年9月にイギリス•ロンドンから帰国し、11月14日より46日間、「Seoul Artspace Geumchon」に交換レジデンスアーティストとして滞在してきました。
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「Seoul Artspace Geumchon」はソウルアートファウンデーション傘下のアートスペースで、海外からレジデンスアーティストを積極的に受け入れています。私が滞在していた際には、スペイン人2名、インドネシア人2名、日本人1名(私を除く)が海外から派遣されてきていました。また昨年夏には同施設からの派遣でSun ChoiさんがBankARTに2ヶ月滞在しました。その交換アーティストとして、私が滞在していたというわけです。
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滞在中はソウル市内外の食品市場を巡り、食材についての知識を深めたり、庶民的な家庭料理のレストランを食べ歩いて、味を確かめるなどのほか、各展覧会のOpening Partyの料理プランニング•レシピ作成•調理、現地の主婦やフードコーディネーターとのCooking Exchange、滞在アーティストを対象とした日本食のWorkshopなどを行いました。
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キムチ作りが趣味だという清州市の主婦 Damiana Yooさんのお宅に、高速バスで90分かけて伺い、キムチ作りのほか、ミーパンチャン(常備菜)などの家庭料理を習いました。現在、Yooさんは韓国人コミュニティ内でキムチビジネスを始めるため、カンボジアに滞在しています。
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写真は韓国人フードコーディネーターのJina Yooさん。淑明女子大学校に勤務し、KBSドラマの劇中で俳優さん達が食べる韓国家庭料理を作るのが彼女の仕事。仕事が終わってから、何度か「Seoul Artspace Geumchon」にお越し頂き、韓国料理の特長や調理のポイントなどを熱心に教えて下さいました。カナダに滞在されていた経験を生かして、海外のホテルで行われる韓国料理フェアで調理指導などもされています。
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展覧会「局外者」Opening Partyの調理風景。50名分の料理を任されたため、最後の盛りつけ等は海外のレジデンスアーティストの皆さんにもお手伝い頂きました。
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展覧会「局外者」Opening Partyの模様。韓国、日本、オーストラリア、スペイン、インドネシアのアーティストが参加していたため、5カ国を代表する料理を作りました。
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滞在アーティストを集めて、初めての日本食Workshop。実は不注意で親指を切ってしまい、痛々しい感じですが、皆さんにお手伝い頂き、友情が深まった1日でもありました。
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2回目のWorkshopは寿司作り教室。握りの返し方が少し難しかったようですが、なかなか上手に作れました。韓国でも寿司は大人気なので、皆さん楽しんで頂けたようです。
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牡蛎の軍艦巻き、パプリカの寿司も作りました。いつも食卓に並ぶのはキムチ。この日は韓国人アーティストがカクテキを提供してくれました。「Seoul Artspace Geumchon」には大きな冷蔵庫が3台あるのですが、中身はほとんどキムチでいっぱいです。
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韓国でも結婚しない若者が増えており、キムチの作り方もわからなくなっているのが問題になっているとのことで、友人のアーティストがキムチ作りのWorkshopに誘ってくれました。味噌や漬け物の味が各家庭で異なるようにYooさんのキムチとは材料が異なるなど、興味深い点も多くありました。
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滞在最終日、BankARTに滞在していたSun Choiさんの展覧会のOpening Partyの料理も担当しました。韓国と日本のフュージョン料理をコンセプトに、ナムル寿司、チムタクうどん、ホワイトシチュートック、サゴルタン(牛骨スープ)のラーメン、ドングリの粉入りフィナンシェなど、個性的な料理を作りましたが、概ね好評でした。上記の写真以外にも釜山、全州など郊外に視察に行くなど、日々惜しむかのように過ごしていたら、あっという間に46日が過ぎてしまいました。
韓国の滞在は10年ぶりでしたが、昔に比べて、近代化された場所、今も変わらず残されている手仕事など、韓国の文化に対する理解をさらに深めるきっかけとなりました。これからも「続・朝鮮通信使」の活動には積極的に参加して行きたいと思います。ありがとうございました。
冬
摂氏6度の晴れた冬の昼間。どこからくるのだろう。BankARTの前の川面には水鏡が突如現れ、とても強い光を反射させている。外気の低さと相まって、冬の陽射しは優しくもなくストレートにこちらをきりりとさせる。摂氏マイナス1度の冬の夜。本当に滅茶寒い真冬の夜は誰もこない……。バスバーの南さんとの会話。でもお互いに普通にまっている。こなくてもじっとまっている。
「赤を見る / Seeing Red」オープンクリエーション
ちょうど一昨年前におこなわれた藤本隆行さんの「Time Lapse Plants」のクリエーションに引き続き、今年も藤本さんの新しいプロジェクト「赤を見る / Seeing Red」のクリエーションがNYKホールにておこなわれました。
ダンサーは韓国のチョン・ヨンドゥさん、dumb typeから川口隆夫さん、平井優子さんの3名。
約2週間の試行錯誤の末、25日、26日には、「オープンクリエーション」として、その成果のお披露目が行われました。
当日会場にて配布された藤本さんのステートメントを以下に引用します。
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この『赤を見る / Seeing Red』は、おそらく時間をかけて作っていくプロジェクトです。
「私は世界をどのように捉えているか」というのが「脳」の話だとしたら、その「私」って何でしょう?というのが、この作品のテーマになっている「意識」だと思います。
今回は、まだ「世界の捉え方」の断片的アプローチです。ひょっとしたら、いつまで経ってもそうかもしれません。
でも、とにかく話を続けると、その「意識」について考える時に、何が一番好きかというと、そこには必ず他者があるということです。世界を捉えている私は、同時におなじように世界に立っている、私以外の意識の存在を信じている/感じている。
実はその私以外が、私を形作っているということも、あるかもしれないと思っています。それは例えば、「言葉」を覚えるようなことです。自分の思考を形作る「言葉」は、周りの人たちから与えられて獲得したんですよね。
今日は、見に来ていただいて、ありがとうございます。
藤本隆行 20111225
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次は、韓国でのクリエイションも考えているということです。この作品の行く末を見守っていきたいと思います。
韓国建築の新たな地平 NEW HORIZON in Korean Architecture
韓国の建築家Lim Jae Yongさんとみかんぐみの曽我部さんが企画した建築展がスタートしている。ベーシックな展示構成の制作は日本で行い、実際の16人の建築家による模型等は各人が手荷物で持ってこられた。コンパクトだけれどもとてもきれいな展示だ。韓国の建築家の前知識はあまりなかったが、会場でもらえるリーフレットをみる限り、ほとんどがアメリカで教育を受けており、内容もそういった印象を受ける。家電もそうだったが、後発だけれど、どんどん推進していっている感じがする。詳細は未決定だが、来年は日本の建築家が韓国で展覧会を行なうそうだ。残念なのは、広報が行き届いていないので動員が少ない。是非皆さんご覧になってください。
初日にはオープンングパーティを開催。
【新・港村】クロージングパーティー
新・港村のラストパーティは、この村(この展覧会ですが)の成り立ちどおり、
各チームが主催するホームパーティ形式。
数十の各チーム、各人が、思い思いの料理を用意し、参加者は順繰りに、様々な場所を訪ね歩く。焼き肉食べ放題を500円で企画するチーム、料理を大量に買い込んで大人数で宴会を行なうチーム、数人で寂しく座り込んで飲んでいるチーム、おでんを皆に振る舞うチーム、小倉トーストを企画するチームを等々……。新・港村の会期中も、様々な空間や出来事のレイヤーが多層に重なる時空間だったが、このラストパーティでは、匂いや音が加わり、本当(?)の街の雑踏の様相を呈していた。Dのブロックは、カフェライブの終了を待って、建物群(作品群)にライティング、テーブルに蝋燭をセットして、おしゃれなラウンジバーを演出した。ロンドンから2年ぶりに帰国した野菜ソムリエの佐々木麻子さんの「asako’s bar」もこの日復活した。会場を暗くしたせいで、港を往来する船の灯りが美しい。
そんなこんなで秋の夜長をゆったりと楽しみながら「新・港村」の幕を閉じることができた。
皆さん、本当にありがとうございました。










