『花をまわる二人』花道家/アーティストの上野雄次さんと丸山のクロストーク、一輪挿しパフォーマンス〜

作家丸山純子さん企画で、花道家/アーティストの上野雄次さんと丸山さんのクロストーク、そして上野さんによる一輪挿しパフォーマンスをBankART Stationで開催した。

無人駅の芸術祭/大井川2022にどちらも参加したことで今回の企画につながったとのこと。

ただ、その以前にも上野さんは丸山さんが2007年にBankART Studio NYKの3階で行ったビニール袋で作成した花のインスタレーション「無音花」を見て、感銘を受けていたとのこと。

トークでは、両方の古今東西様々な場所で活躍をスライドや映像で説明。

後半は、上野さんの一輪挿しパフォーマンスを実施。

ステーション付近の中央分離帯でとってきた植物を破れた壺に一輪を挿す。ただそれだけの行為であるのに、その位置とバランスを探る所作が、空間自体も変化するような力があり、参加者も固唾を飲んでその瞬間を見守っていた。

こどもがつくるこどものまち「ミニヨコハマシティ2023」

8月5日・6日の二日間、BankART Stationにて、こどもがつくるこどものまち「ミニヨコハマシティ2023」(主催 NPO法人ミニシティ・プラス)が開催された。

「ミニヨコハマシティ」は、こどもが自由に、自分のやってみたいことを好きなだけチャレンジできる、大人口出し禁止のこどものまちだ。

「ミニヨコ学校」でまちのしくみについて、レクチャーを受けるこども市民

この活動は、ドイツのミュンヘンで40年前から続いている「ミニ・ミュンヘン」をモデルにして始まった。参加対象は19歳以下のこども市民で、参加者は会場内のジョブセンターでお仕事を探し、働いて稼いだお金(ミニヨン)を使って、ミニシティで買い物をすることができる。
大人はこどものまちエリアには入れないが、予約制で「大人ツアー」として会場を見学可能だ。

「ジョブセンター」(写真左)と、会場で買い物をする様子

予約制の大人ツアーの様子

今回の開催に向け、昨年からのこども運営市民に加え、新たに参加者を集い、集まった小学1年から中学3年までのこどもたちが、今年の5月から何度も会議を重ね準備を行った。当日は「まち」を運営するための銀行や学校、ジョブセンターの他、雑貨屋さん、ゲームセンター、スライム屋、恐怖のめいろ館など、こどもたちが考え、作り出したユニークなお店で会場内を埋め尽くした。また、入口付近には投票所が設けられ、最終日に次期市長を決定する「こども市長立候補者選挙演説会」も行われた。

会場下見とアーティストとの初顔合わせの様子

「こども市長立候補者選挙演説会」の様子

今回、特別企画としてBankARTよりアーティストを派遣。横浜を拠点に活躍する、さとうりささん、西原尚さんを迎え、こども市民とのコラボレーション企画「わくわくお化けフェス&地底人パレード」を開催。それぞれのブースで制作した楽器やオリジナルの衣装を使い、こども達がBankART会場内をパレードして練り歩き、会場を沸かせた。

西原さんのブースで楽器をつくる様子

さとうさんのブースでは、こども市民が考えた新作のバック等が販売されていた。

パレードの様子

BankART会場では2011年の「新・港村」以来の開催となった「ミニヨコハマシティ」。今年の夏は、みなとみらい線の新高島駅構内に、こども達が作り上げた理想の「まち」が出現し、多くの参加者で賑わった。

多摩美術大学 彫刻学科三年生展「Blue3」関連企画パフォーマンス「脱皮的彫刻」

BankART KAIKOで開催した多摩美術大学 彫刻学科三年生展「Blue3」の関連企画として、会期最終日の8月6日、旧第一銀行横浜支店にて、「脱皮的彫刻」というパフォーマンスが行われた。
舞踊家の川口隆夫さん監修のもと、多摩美彫刻学科教授で作家の高嶺格さんが構成、1〜3年生の学生有志17名での石膏を用いたライブパフォーマンスだ。

サラシを巻いた学生たち8名が会場に現れ、一人ずつ芸術に関わる考えやプライベートな思いを言葉に出していき、話が終わると三人一組のツナギ姿の学生によって体に石膏が塗られていく。
数十分時間をかけて、塗布された石膏が硬化し、パフォーマーたちはまさに石膏像のような形になる。
そこから死神のような格好の演者が現れ、パフォーマーについた石膏の一部を切り離している。
お坊さんが鳴らすようなチーンという金属音が鳴ると、パフォーマーたちはセミがゆっくりと殻を破り羽化するように、石膏を剥がしていく。剥がし終わると、ゆっくりと会場の外に舞踏のような動きで進んでいき、会場にはその8体の脱皮[立像]が残り、空間と相まって印象的な光景となった。

90分を超える長時間かつ動きの少ないパフォーマンスだったが、来場のお客さんもパフォーマーの吐露や、彼らが石膏像になる様を、固唾を飲んで見守っていた。最後の脱皮の瞬間は、彫刻作品が生まれる瞬間に立ち会うかのような緊張感があった。

展覧会、パフォーマンスどちらも若い学生たちの思いや表現に立ち会う稀有な体験の場となった。

本公演構成の多摩美彫刻学科教授で作家の高嶺格さん

多摩美術大学 彫刻学科三年生展「Blue3」開催

8月2日から6日までの5日間、多摩美術大学彫刻学科の三年生30名による展覧会、「Blue3」がBankART KAIKOにて開催。
学生たちは1-2年生の間、塑像・木彫・石彫などさまざまな素材に触れる基礎実習期間があり、それを経て3年生からは、自由制作が始まるとのこと。
 
テラコッタで犬の毛まで繊細に再現した作品。木彫で念願の大仏を制作した作品。家族との関係、記憶を題材にフローリングに畳のイメージを掘り上げた作品。SNS・性の在り方を題材にした作品など。素材や題材の幅も多種多様な作品が会場に並ぶ。
 
「この展覧会はその「自由になった瞬間」を切り取るものです。」と解説にあるように、30人それぞれの表現方法や興味、迷いは違うものの、同じ時代を生きる学生たちが「自由」の名のもとに表現した作品群からは、グループ展であるのだが、一体感を感じられる構成となっていた。

BankART Under 35 + Over 35 がオープンしました!

7月6日、パシフィコ横浜で初めて開催される国際的なアートフェア「Tokyo Gendai」にあわせて、BankART Stationにて「Under 35」3組、BankART KAIKOにて「Over 35」2組の展示が同時に始まりました。

初日のオープニングは2会場を中継し「Tokyo Gendai」から流れてきた人もあいまって大変な賑わいで、5名の公募審査員(川俣 正、村田 真、木村絵理子、吉田有里、細淵太麻紀)も勢揃い。今回は5展同時開催ということで、作家+マネージャーのジョイントチームでの公募となり、各展示エリアにはそのどちらかが必ず在廊していますので、作品について詳しく説明を聞くこともできます。作品を購入したい場合も各マネージャーと直接お話ししてみてください。

「BankART Under 35」は、35歳以下のアーティストによる個展シリーズで、2008年から始まり今回が9回目、これまでに52組のアーティストを紹介してきました。Stationの廊下ギャラリーでは、あわせてこれまでのUnder 35参加作家の作品やアーカイブも展示しています。

「Over 35」は今回初めての試みでしたが、ありそうでなかった企画に反響もあるようです。

Over 35 蓮沼昌宏 @BankART KAIKO マネージャー:蓮沼菜穂子

Over 35 島島(Islands) [アイランズ]/ 梁 志和・劉 時棟 @BankART KAIKO マネージャー:開発好明

Under 35 宇留野 圭 @BankART Station マネージャー:大野高輝

Under 35 佐貫絢郁 @BankART Station マネージャー:浅見 旬

Under 35 凡人[ボンドマン] / 光岡幸一・根本祐杜・平山 匠 @BankART Station マネージャー:李 静文

過去の参加作家の展示 -beyond-BankART Under 35

レセプションでは2会場を中継して乾杯しました

BankART AIR 2023 SPRING オープンスタジオ

BankART AIR 2023 SPRING:4月3日[月]〜6月20日[火]
オープンスタジオ:6月9日[金]〜11日[日]、16日[金]〜18日[日]
オープニングレセプション:6月9日[金]
会場:BankART Station
主催:BankART1929