【アートラーニング・インタビュー #6】BankART Life7 参加アーティスト・電子音響ピープル・柴山拓郎 by BankART実験広報部

こんにちは福谷です。

またまた作家さんにインタビューさせてもらいました!

今回はLife7唯一のサウンドアート作品「Imaginary Sphere 2024」を作られた電子音響ピープルの柴山拓郎さんにお話を伺いました。作品や電子音響ピープルについて紹介できればと思います!

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Q.作家活動名について教えてください

柴山:作家活動名は電子音響ピープルプロジェクトと言います。ここではアーティスト名を電子音響ピープルと記載させていただいています。これは参加型のプロジェクトアートです。

Q.柴山さんお一人で電子音響ピープルなんですか?

柴山:このプロジェクトに関わったアーティストや参加者も含めて全員まとめて電子音響ピープル、という、アーティスト名として使っています。

Q.今回の作品はどんな作品ですか?

柴山:このインスタレーション作品は、去年実施したワークショップの参加者の皆さんの音からできています。ワークショップでは参加者の皆さんがお家から持ってきたものを使って音を録音して、それをコンピュータを使って切り貼りして作るんですが、ちょっとヘンテコな音楽なので、多くの人々はそれを音楽として楽しめないことが多いんですが、作ってるうちにみんな何か楽しくなってくるというプロセスも作品の一部です。ワークショップの後には、講師を務めたプロの作曲家が皆さんの作品をまとめて全部で8曲の新作ができまして、それを2月のライブで上演しました。その後でワークショップの音を使ってみんなのサウンドインスタレーション作品として完成させたのが、この作品です。私はこれのプログラムを組んだだけで、鳴っている音は参加者皆さんの音です。誰の作品だかよくわからない作品になっているところが表現の柱です。

Q.音自体は何の音が使われているんですか?

柴山:色々あります。参加者の皆さんがお家から持ってきたものなので、例えば下敷きとか筆記用具とか、調理器具とか、ちょっと忘れちゃいましたけど空き缶とか瓶などもありました。野球の応援をするメガホンを持ってきてた方もいました。

Q.普段はどんな作品を作られてるんですか?

柴山:私自身は電子音響音楽をコアにした音楽作品とか、こういうインスタレーション作品を作ってます。最近の軸足を、自分の作品を作るのではなく、みんなで作って楽しんだ方がいいかなと思って、こういう社会実戦に置いています。仲間外れがいない方がいいと思うんです。最近の音楽界隈にしろアートにしろ、ある意味かなりコンペクティブになってしまって、一人のヒーローが誕生するために千人の屍が必要だったりするのではないような世界ができるといいなっと考えています。

Q.過去の代表作とかありますか?

柴山:この作品のプログラム画面には2024年って書いてあるんですけど、元になっているこのプログラムは、2017年から2018年にかけてドイツのZKMで作ってきました。今回は画面に、ワークショップに関わった全ての皆さんのお名前が記載されています。こういった作品が、活動の代表作という位置づけになりますが、並行して、ライブも含めて、全体の流れを作品にすることを目指しています。参加型プロジェクトは活動自体が作品だと思います。ですので、ワークショップも、ライブも、このサウンドインスタレーションもその一部であるといえます。

Q.今回のテーマが都市だと思うんですけど、柴山さんにとっての都市とは?

柴山:都市や街には、目に見えないレイヤーがいくつもあると思います。地図で見えてる部分は表面だし、街の風景として見てるのも表面だし。そこにはいろんな人が住んでいて、いろんな仕事の人とかいろんな国籍の人がいて、みんながそこで動いてるんだけど、そういう全体を可視化することってできないじゃないですか。同じようにアートについても、レイヤーがあって、例えばそれを作り出す人と、それを楽しむ人が別々のレイヤーに分かれてるんですよね。BankARTとか美術館はそういう人たちが一緒に集うインターフェースと捉えることもできると思います。私達の活動は、都市の中に住んでいる、アートを作る人も、それを好きで観る人も、普段別々に棲んでいるレイヤーをかき混ぜながら、みんなが少しずつ気づいたら、作る人側に近づいていみませんか、トイ提案をしている活動が電子音響ピープルプロジェクトです。この作品も今まであんまり音楽なんか作ったことがなかったよ、という皆さんが「作ってみた」結果と、皆さんが棲むむ街の音が重なって鳴り響いているという構成になっています。

Q.今後の活動の情報などあれば!

柴山:今年の今後の活動は、ストックホルムとドイツとフランスでワークショップをやります。ストックホルムは6月で、ドイツが7月でフランスが8月です。そのワークショップでまたみんなで電子音響音楽を作って、プロとの協働制作作品を6作品完成させて、ドイツで9月に公演をやることになっています。この公演は、日本で協働制作した作品も上演する大きなイベントです。そのあと10月には、今度はヨーロッパで協働制作された作品を日本に持ってきて、ゲー下インスティテュート東京でライブとシンポジウムと展示をします。2024年は活動メインの年間計画で、2025年にはそれらをアーカイブ化する予定です。よろしくお願いします。

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柴山さんは東京電機大学の先生でもあり、インタビュー時間外で大学のお話や機械の詳しいお話も聞かせてもらいました!とてもためになりました

柴山さんと電子音響ピープルの活動情報はこちらから

・柴山さん

https://m.facebook.com/takuro.shibayama.14?mibextid=LQQJ4d

・電子音響ピープル

https://www.facebook.com/denshionkyopeople?mibextid=LQQJ4d

柴山さんありがとうございました!福谷

【多様な地図で巡るツアー】身ひとつで生きる~奥能登アートクラフト トークイベント「身ひとつと、ひとりひとりの明日の話」

今瀬風韻、加藤修央、高畑圭介、萩のゆき、山田睦美 
進行:小林晴夫(blanClass)
2024/5/5 sun. 19:00-21:00

今年元旦に起こった能登半島地震で被災した奥能登のクラフトアーティストたちへの応援プロジェクト。
その参加作家から5名の作家にお話をお聞きしました。

やはり、それぞれ違う経験をして、4か月経った今の状況もそれぞれ違い、これからもきっとそれぞれ違うのだと思いますが、復興といって、それは元の状態に戻るのではなく、町だけじゃなく個人でも、新しく作っていくことなんだなぁと思いました。

聞きに来ていた出品作家の山岸優羽さんも一緒に奥能登ポーズ👍
トークの様子は近日中に公開予定です。

テキストと写真:blanClass

【アートラーニング・インタビュー #5】BankART Life7 参加アーティスト・キム・ガウン by BankART実験広報部

↑絵本「君は僕のプレゼント!」を持つガウンさん

こんにちは、BankART実験広報部のJUNGです!

今回は韓国からいらっしゃった作家さんにインタビューさせていただきました!

キム・ガウンさんは今回BankARTとのプロジェクトで神奈川公園の70mの壁にペン画を描く予定であります!キムさんの制作を楽しみにしながら作品を中心に紹介していきたいと思います!

Q. 簡単な自己紹介お願いします。

キム: 5年前から横浜を拠点にアート活動をしている。韓国人アーテストキム・ガウンと申します。クマとウサギの旅という形でペン画作品を作っています。

Q. 普段どのような作品を作っていますか?

キム: 基本なんでもペン画から始まります。例えば、細かい作業を必要とする絵本製作からアニメーション、そして壁画やパブリックアートのような大きいスケールの作品まで作っています。特に最近はパブリックアートプロジェクトと共にイベントやワークショップを取り組みながら観客の共感を求めるアート活動に楽しさを感じています。

クマとウサギアクリルキーホルダー

7.5mx5.5m作品「杜甫の記憶」、中国成都、2023

Q. ペン画に興味を持つようになった理由がありますか?

キム:独学で絵を描いてますが、10年前ごろ母の看病をしながら家の中で過ごす時間が長かった時期に、身近にある紙とペンで絵を描き始めたのがきっかけでした。つまり表現活動を始めた時の環境から自然と選ぶようになったと思います。

Q. 作品に出てくる動物にはそれぞれの意味がありますか?

キム: 何となく昔からクマとウサギっていう決まりがあった訳ではないですけど、一応動物が好きで、見た目がどう見ても対立している(違う、異なる)のが明確に見えるものをずっとイメージしてきました。弱くて小さな存在、あとは、デカくて強い存在っていうのを最初はあまり明確にはしてなかったですけど、それがクマとウサギの形にだんだんなってきました。

Q. 今回作る作品のコンセプトは何ですか?

キム: 今回BankARTとのプロジェクトでは、神奈川公園の70mの壁面に作品を描くことになって、タイトルは英語だと「Dreamers」、夢を描く人たちと言います。公園に通ってくださる地元の方々、子供から大人まで、私が絵を描く過程を眺めてくださることによって、絵を見てそこに想像を加えて自分なりの色々な夢を見てもらいたいという願いを込めて、クマとウサギの旅をその公園で生かせる作品にしたいと思っています。

Q. 今回の作品を通じて観客に伝えたいメッセージはありますか?

キム: パブリックアートとしてみんなに通ってもらう場所に描く作品である分、何となくその絵を見てとにかく何かを感じてもらいたいなーと思っていますね。もう少しアートという言葉を使うよりも身近な存在として自分の日常に関わったほんの少しの喜びとして捉えてもらえたら、私が求めていることが叶うのではないのかなという希望があります。

Q. 白黒で描く理由がありますか?

キム: 最初にペンという材料から絵を描き始めたのがやはり大きなきっかけではありますけど、その白黒の世界の中で色んな表現ができると思っています。やればやるほど無限の可能性が出て来て、そこに色を加えてしまうとあまりにも選択肢が多くなって、私にはむしろ道に迷ってしまいそうな感じですね。私は白黒の世界でほとんど遊んでいますが、それが必ず色を入れちゃいけない訳ではないです。その中で自分の意味を与えたいところ、納得いくところがあれば、色を入れたりする作業をしています。

Q. イタリアと日本で活動するようになったきっかけは何ですか?

キム: ひたすら自分が好きと思われるような場所から色々自分のアートを生かしたい気持ちがありました。イタリアで若い頃にイタリア語を学んだ経験もあって、好きな国で何かをやりたかったのが基本ですね。

Q. 次の展覧会の情報や今後の計画があれば教えてください。

キム: 今回のBankARTの「Dreamers」プロジェクトは、ただ私が絵を描いて終わりではなくて、巨大な壁画を描いていくうちに、地元の方やボランティアの学生や小学校の学生達を招いて、協力してくれる関係者の家族まで、色んな人と関わってワークショップを行ったり、ダンスパフォーマンスもそこでやったりする長期プロジェクトを考えています。後は、もう少し先なんですけど、絵本も日本で出版する予定があって、それも同時進行で準備しています。

キムさんの作品や情報はこちらでみることができます! – https://gaeun-art.com/

Instagram – https://www.instagram.com/gaeunart/

テキスト・写真:JUNG

【多様な地図で巡るツアー】 blanClass+神村恵「身ひとつで生きる」Live Art ツアー  ミルク倉庫+ココナッツ[配牌(パイズ)ダービー]♯2 

今回はメンバー全員が出走。
アバターもですが、前回にもましてプレイヤーの審査基準を決める話し合いが白熱した感じです。
最終レースはアバターはプレゼンをパフォーマンスでしなければならず、まさにここでしか見られない作品になっていました。

テキストと写真:blanClass

オークションを経て作品を手にした皆さん。

【横浜クリエイティブCOOP】商品のご紹介-BankART Life7出展作家編

BankART実験広報部の今井です
待ちに待ったゴールデンウィーク、皆さまいかがおすごしでしょうか?
大型連休も横浜トリエンナーレは休みなく開催中!
「アートもりもり!」と称したアート・プログラムも各地で開催中です✨


今回は「アートもりもり!」の中でも、「BankART Life7」に出展されている作家さんのアイテムをご紹介いたします👀

まずは、新高島駅にあるBankART Stationで展示されている作家さんの商品をご紹介✨

岡崎乾二郎 さんは、近代美術にフォーカスしたベストセラー「抽象の力」のほか
おかざき乾じろ 名義の絵本「ねこかしら」などなど、書籍を5種類ほど取り揃えております📚

続いてのご紹介は 志田塗装 さん🪣
1874年創業の塗装会社さんの粗品タオルと企業Tシャツを販売中!なのですが
はて、そのような業者さんが横浜にあったでしょうか…🤔

次のご紹介は 三田村光土里 さん
三田村さんのブランド「näkö fabric(ナコ・ファブリック)」のバッグ&ブローチをお取り扱いしております🛳️
横浜の風景が息づくバッグはカラーも様々!お好きな柄と色のバッグをぜひ探してみてください🔍

続いてのご紹介は 吉田山+西山萌+木雨家具製作所 さん
3名のアーティストさんが共同制作された手刷り作品で、その面積はたたみ一畳分ほど!😳
大迫力の木版画を購入できるのは今の時期だけです👍

続いてご紹介させていただくのは 岩竹理恵 さん
古切手を封入した特製のバッジと、見る距離で印象が変わる👀 壁掛け商品を販売しています
切手バッジは黄金町アートバザールにもお取り扱いがありますが、壁掛け商品はこちらのみ!ぜひお立ち寄りください✨

次は、ポートサイド地区で作品展示されている 谷本真理 さん
素敵なイラストがプリントされたTシャツとトートバッグに、陶器のお皿を販売しております👚
谷本さんの描くやわらかな世界観を身につけて生活してみませんか?

続いてご紹介するのは、旅するクマとウサギを描く繊細なペン画がとても素敵なアーティスト、キム・ガウンさんのグッズです🐻🐰
6カ国語で楽しめる絵本をはじめ、アクリルスタンドとキーホルダー、いつでも世界観を楽しめるポストカードとA4カードを販売しております📗

馬車道に設置のアートテーブルを制作された野老朝雄 さん
野老さんといえば、2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムデザインで有名なアーティスト✨
野老紋様の手ぬぐいやシールのほか、お部屋のインテリアとして飾っても素敵な壁掛け商品をお取り扱いしております
また、 FRAMEFLAME さん から野老紋様をモチーフにしたジュエリーも販売中💍
「つなげること」をテーマに作られた、シンプルながらも美しいデザインのジュエリーです

こちらもアートテーブルを制作された みかんぐみ さん
建築家4名による横浜の建築事務所で、その活躍は全国各地へ広がっています
今回は、過去の建築作品をまとめた書籍とポストカードを販売中です🍊

BankART Life7は新高島会場のほか、馬車道やみなとみらい、ポートサイド地区をはじめとした横浜の各地で展示されています🗺️
横浜の街を散歩しながら美術鑑賞を楽しみつつ、横浜クリエイティブCOOPでのお買い物をお楽しみください😊
皆さまのご来店を心よりお待ちしております!

テキスト・写真:今井
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創造都市20周年記念「横浜クリエイティブCOOP」
会期:2024年3月15日(金)~ 6月9日(日) 10:00~18:00
定休日:毎週木曜(4月4日、5月2日、6月6日を除く)
会場:BankART KAIKO ショップエリア
横浜市中区北仲通5-57-2 北仲ブリック&ホワイト 1階

https://bankart1929.com/…/artists/yokohama-creative-coop

【多様な地図で巡るツアー】電子音響ピープルプロジェクト Sound Scape & Sound Montage workshop @ BankART Station

電子音響音楽の創出に関わる満足感高いワークショップ、今回は「BankART Life7」ツアー担当の桑原がレポートします。

今回のツアーはワークショップ主体で、日常、聞き流している様々な「音」を改めて認識し、「音」に関する感覚を高めていくフェーズと、「音」自体を作り出し、それを素材に「音楽」を作り出していくフェーズに分かれています。13時から17時までとなかなか長丁場。前半の部分はともかく、後半はどのように進むのか、興味津々です。

さて、始まりました。

最初に電子音響音楽や環境音についてのレクチュアを少し。電子音響音楽は、「なんの音か」より「どんな音か」を中心に音を味わうもの、「音が出ているからには、その原因となることが目に見える形で起こっているはず、それと音を一体化して感じる」ということなのだというお話。この後、マリー・シェーファー(カナダを代表する現代音楽の作曲家。サウンドスケープの提唱者)の本「世界の調律」で述べられていることや、ロバート・カーソンの「46年目の光」のエピソードなども交えての説明は、これから「音を聴く」ことに関しての意識を高めてくれました。

その後、記録用のシートを受け取って外へ出かけます。BankART Stationの前の通路、外の広場、歩道橋の上などで耳を澄ませ、どんな音が聞こえてくるのかを記録していきます。

意外に難しかったのは、最後に歩道橋の上で行った、「どんな音が・どんな順番で・どっちから」聞こえてくるかを記録して行くというもの、3つの要素をどのように記録するかを考えながら書いていくのが思いの外大変でした。

その後、戻って、各参加者が聞こえた音を発表していきます。自分がそのとき聞こえていなかった音を記録している人がいたりして、はっとします。記録の仕方もいくつかあって、例えば「こどもの話し声」、「エスカレーターの音」といった記録の仕方もあれば、「ブーン」「コツコツ」「ドンッ」といった、いわゆるオノマトペ的なものもあり、そういった面でも、それぞれとらえ方が異なるのだなと人との違いを再認識しました。

そうやって「音」に対する感性を高めたあと、休憩を挟んで、いよいよ、「音」を創り、それを紡いでいくという作業になります。

今回は、あらかじめ何か音を出すものを各自持ってくるということで、各人、いろいろ持ってきています。ペットボトル、ネックレス、ホッピーの瓶とバリエーション豊か、柴山氏は「オイルが少し残る缶の中に小石のようなものを一つ入れた」という品で、少し遅れて「コトン」と落ちる感じの音が気に入っているとのこと。参加者は最初に名前を言ってから、持ってきたものを音素材として録音していきます。

全員が録り終えたら、各自に用意されたパソコンでその音を材料に15秒ほどのフレーズを創っていきます。利用するのはAudacityというサウンド編集ソフト、基本的な編集は易しい操作でできるもので、初めてでしたが割とすんなり操作できました。

しかし、操作は出来るものの、意図したようなフレーズを創るのが難しい。これまでいわゆる「打ち込み」作業は少し経験があるものの、「ガイドのリズム無し」、「そもそも素材の長さや音程がない」もので、「こんな感じにしたい」というものに近づけるのがむちゃくちゃ難しい。正直、できあがったものはイメージしたものとだいぶ違ってしまいました。しかしとにかくあっという間に時間が過ぎて、作業時間終了。作成したものを、みんなで聴く時間となりました。

音の使い方など、当たり前ですがみんな違って面白い。「フレーズ」というには少々抵抗があるけれど、こんな感じのものを創りたいのよ!という意図のようなものが伝わってきます。おまけに、柴山氏の「いやー、この音の使い方がいいですねー」とか「ここで、間があるのが表現を拡げてますねー」とかの絶妙な褒め方で、なんだか、「電子音響音楽創れちゃってる、俺~」みたいな気分になります。

長丁場でしたが、時間があっという間にすぎ、満足感高めでワークショップを終えました。今後、今回の音、フレーズを元に、編曲して、BankART Stationで行われるコンサートでお披露目となります。(5月26日(日)を予定)

今回参加してみて、「電子音響ピープルプロジェクト」が目指す「音楽の受け手としてではなく、少しヘンテコな音楽を自ら創るアーティストとして、共にその体験を楽しむこと」を、充分に感じられるツアーとなっていたことを改めて実感しました。

【アートラーニング・インタビュー #4】BankART Life7 参加アーティスト・吉田山 by BankART実験広報部

こんにちは、BankART実験広報部のJUNGです!

今回はLife7出展作家の吉田山さんにインタビューさせていただきました。

都市にも遺伝子があるとしたらどのように抽出できるのかを問いとして、新しい地図を考える吉田山さんと、その考えによって作られた作品について紹介していきたいと思います!

Q.簡単な自己紹介お願いします。

吉田: こんにちは、東京を拠点にキュレーションやアートプロジェクト、アート作品の発表などしています。吉田山という名前で活動しています。

Q.今回の作品はどのように作っていますか?

吉田:いろんなことをしていますが、会期中には等身大ぐらいのB0サイズぐらいの木版画地図を手刷りでプリントしていたり、そのための什器展示や蒸留ツアーもしています。

Q.今回の作品のコンセプトはなんですか?

吉田:  BankARTさんから話が来た時に、展示のテーマがUrbanNestingということだったり、新しい地図という話を聞いて、その二つを軸に作品のコンセプトを考えて作りました。

日常でも都市に住んでまして、都市に対しては、さまざまなものが流動的であたかも生物のように日々変形していき、景色が変わっていくのが面白いと思っていました。そこで、都市にも哺乳類のようにシンプルなDNA構造体があるのかもしれないという、SF的な空想をコンセプトの中心としました。今回は横浜ですけど、様々な都市に対しての話をしたいなと思いました。遺伝子のようにすごく基本的な構造を何かビジュアルで表現できたら面白いなって思って、今回の作品を考えてきました。

Q.色々な都市を行き来していますか?

吉田: そうですね、去年もニューヨークやイスタンブールに行って、それぞれの独特な風土、風景、立ち上がってきた歴史や建築物があったりして、どこも異なっていて面白いなと思いました。横浜もそれにおとらずな歴史もいっぱいあって、山を削り埋め立てられた今はもうない横長の浜が横浜の名前の由来だったり。今回の地図は地形にフォーカスしたものになっていて、手に持って動き回る地図ではなくてどこにも行けない地図という、ただ単に眺めるための地図ですね。元々地図っていうものが侵略だったり、戦争のために細かく作り込まれて、それを我々はGoogleマップだったりで、日々ありがたく無料で使わせてもらっているということを考えた時に、個人的なアート作品として地図を扱う場合はそういう機能性は一切取り外していこうと思って、都市内の目的地を的確に巡るっていうことではなくて、概念や想像で都市を巡るようなものを考えてみました。

Q.特に印象に残っている都市はありますか?

吉田: このプロジェクト自体は今回初めてですけど、よく仕事で熱海に行くんですけど、海と山がすごく小さい街にコンパクトにまとまってるのが面白いなと思っています。まあ、イスタンブールもそんな感じだったんですけど、やはりそういう起伏のあるところに惹かれますね。海と都市が連続してる場所で、さらにその奥に山が立ち上がってきたらかなり面白いなと思ってます。ま、横浜もそういう場所ですね。

Q.韓国に行ったことはありますか?

吉田: 韓国は釜山に行ったことがあります。道路がそのまま海から見えて、車で飛び込んでいけるような風景があったり、10年前ぐらいなのでちゃんと覚えてないんですけど、日本からすごい近いのにまた違う、東京よりは大阪側の雰囲気に似ているかなと思い出しました。

Q.作品にあるアクリル板はどういう意味ですか?

吉田: この作品地図は横浜のバンカートステーション中心の5km半径の地図で、それに対応する山側の、等高線、みなとみらいなどの地形をアクリル板で表わしています。

Q.今回の作品を通じて観客に伝えたいメッセージはありますか?

吉田: 今回のプロジェクトは色んな人と連携しています。この什器は木雨家具製作所さんに作ってもらって、地図の部分編集で西山萌さんに関わってもらってます。その他にも色々細かいところを色んな方に関わってもらったのですけど、最終的に木版画で刷るっていうのが、単純に見せるだけのパフォーマンスではなくて、作品のタイトルにも入っていますけど、流通させようと思って、今本屋さんとかいろんなところに卸し始めて、置いてもらってます。

色んな人に買ってもらって、家に持ち帰ってもらうようにしています。

プリント数を100部としていて、この今回抽出した都市を100分の1に切り分けて色んな人の家に流通するっていうのが面白いと思っていますね。

後、ISBNという国際基準の図書コードを付けてもいます、国立国会図書館にも納本してきたので、この地図作品自体が国にアーカイブされている状態になっています。都市を抽出して制作した作品を再度都市のインフラやシステムを使いつつ流通していくという、結構ダイナミックな関係を作っていて限界美術のようなものでもあると思っていますし、この作品自体が都市に根付く雑草の根っこみたいで、いずれでかい木に成ればいいなと思いながら自分自身は木版画でこれらを刷っています。

Q.木版での手刷りをずっと取り扱っていくつもりですか?

吉田: そうですね、すごい大変で結構つらいですけど、やはりつらいっていうのが重要だなと思っていますね。自分の体で一日プリントして疲労して次第に何も考えられなくなる、このような労働感覚が結構大事だと思っています。この方法は効率は異常に悪いし、この資本主義のシステム的には正直やらなくてもいい行為ですけど、でもこの労働とアイディアを作り出す資本家が折り合わさっている作品制作のプロセスは、僕の中での喜びとして今回大切にしたいと思ったことであるから、引き受けるべき大変さだなって思っています。手作業や身体的な労働や現場感は大切にしていきたいので、このようなことは続けていくと思います。

Q.次の展覧会の情報や今後の計画があったら教えてください。

吉田: ちょうど来月に神津島っていう東京の離れた島で、アートのツアー企画を作っているので、ぜひ来てもらいたいなと思っています。後は、色々常に活動している状態になっています。

テキスト・写真 ・動画:JUNG

【アートラーニング・インタビュー #3】BankART Life7 参加アーティスト・磯崎道佳 by BankART実験広報部

こんにちは、BankART実験広報部の鄧です、今回は北海道に住んでいるアーティスト、磯崎道佳さんにインタビューさせていただきました。

磯崎さんの作品「机は昼にテーブルになった – smile on the table」という作品は展示されています。作品のコンセプトなどを中心に紹介していきたいと思います!

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Q.自己紹介お願いします

磯崎:磯崎道佳と言います、アーティストです。今北海道のニセコ町というところに住んでいます。BankARTが立ち上がる前から、亡くなった前代表の池田さんが企画する展覧会に呼ばれたり、一緒にプロジェクトもやったりしていました。

Q.今回展示している作品について教えてください。

磯崎:BankARTでおこなわれているパブリックアートテーブルというプロジェクトの作品ですが、学校の机を集めて、この地域に住んでる人の顔をテーブルに彫り込んだ作品です。来た人がそこにある笑顔を擦って持ち帰ることができる、というプロジェクトを展開して、今はBankARTステーションの方に展示しています。

Q.なぜこの作品をつくったのですか?

磯崎:学校で、みんなが個人で使ってる机が、お昼休みとか休み時間になるとその机が集まってテーブルに変わるっていう瞬間がすごい好きで、それは僕にとっては一番オープンな場所に思えたんです。みんな食べながらワイワイして、それまでは規律がある空間が急にリラックスした空間になる感じは、自分にとってすごく理想的です。その空間を再現したくて、この作品をつくりました。

よく学校って女の子たちが机並べてお菓子を食べるじゃないですか、僕らひねくれ者だから、外れたところで二人とか、男の子連中だけで「なんか楽しそうだな」と思ってる人だから。あれを見ていいなと思って。そして僕の母親がケーキ作りが好きだったから、何となく作り方がわかったので、ケーキを持っていて「食べる?」って聞いたら、「あっ、食べる!」って、僕もその場に入れたんだよ。もし僕は「お肉を焼いてきたけど、食べる?」とか「鍋物を作ってきたよ」ってぽっと置いたら、多分食べないよね。鍋物とかそれこそ肉焼いてきたっていうのは、もうちょっと、なんだろうなぁ…生きるための食事だから、それより、リラックスして楽しむということなら、ケーキとかクッキーじゃないとできないなって思って。だからお菓子はみんなの共有物だと思っていて誰でも食べていいと思う。僕はミスタードーナッツが好きで、あそこでいろんな人が何時間も会話してる、でも目の前にはドーナッツとコーヒーだけなわけ。あれが面白いな。アートってそういう生活のところに会話が生まれる空間をつくる、生活を豊かにする力を持ってるものだと思う。

Q.なぜ人の顔をテーブルに彫ったのですか?

磯崎:やっぱり特にコロナだったからですね。マスクして口元が見えなかった時期があって、この作品はちょうどコロナの規制が開けた時だった、その時一番必要なのは目だけじゃなく、顔全体を使った笑顔、それをもう一回集めたいと思った。2023年っていう年だから特に顔がオープンで、口も開いてる状態を記憶として机に彫りたいと思ったんです。

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テキスト:鄧 写真:Jung

磯崎道佳さんの作品や情報はこちらから見ることができます👉@isozaki_michiyoshi

【横浜クリエイティブCOOP】イベントレポート「創造都市横浜・お悩み 相談室」

こんにちは!BankART実験広報部のJUNGです。
先日4月20日にBankART KAIKOで行われた「横浜・クリエイターズナイト」を見学させていただきました!

今回行われた第4回のトークショーは、「創造都市横浜·お悩み相談会」をテーマに、様々な分野で活躍している計5名のアドバイザー(デザイナー、アートコーディネーター、写真家など)の方々が参加してくださいました。

都市を舞台にしたアートプロジェクトに必要な現場でのノウハウや広報技術などについて、アドバイザーの方々が丁寧に答えてくださりつつ、お互いに情報を交換しながら個々人の悩みについて相談を進めました。

様々な悩みを持った方々に、直接経験しなければ分からなかった情報と、数年間積み上げた各自の実力を共有してくださったので、私も話を聞くだけでも知識が豊かになったようでした!

■創造都市20周年記念「横浜クリエイティブCOOP」関連イベント
「横浜クリエイターズ・ナイト」
https://bankart1929.com/…/pdf/yokohama_creators_night.pdf


안녕하세요! BankART 실험 홍보부 JUNG입니다! 오늘은 4월 20일 BankART KAIKO 에서 진행 된 요코하마 트리엔날레 기획 이벤트 중 <요코하마•크리에이티브나이트>에 참여했습니다!
이번에 진행된 제4회 토크쇼는 [창조도시 요코하마•고민 상담회] 를 주제로, 여러 분야에서 활약하고 있는 총 5분의 조언가 분들이 (디자이너, 아트 코디네이터, 사진가 등) 참여해주셨습니다.
도시를 무대로 한 아트 프로젝트에서 필요한 현장에서의 노하우에 대해 조언가분들이 조언해주시면서, 서로 정보를 교환하고 개개인의 고민에 대해 상담을 진행했습니다.
다양한 고민을 가진 분들에게 직접 경험하지 않으면 몰랐을 정보와, 수년간 쌓아올린 각자의 내공을 공유해주셔서, 저도 이야기를 듣는 것 만으로도 지식이 풍부해진 것 같았어요!

テキスト・写真:JUNG

【横浜クリエイティブCOOP】商品のご紹介-横浜トリエンナーレ出展作家編

BankART実験広報部の今井です😃
いよいよゴールデンウィークがはじまりました!
皆さまは横浜トリエンナーレの展示はご覧になりましたでしょうか?👀

横浜トリエンナーレ会場の一つであるBankART KAIKOですが、会場の約半分は「横浜クリエイティブCOOP」開催中🚩
横浜クリエイティブCOOPは、横浜トリエンナーレ組織委員会と横浜を拠点に活動するクリエイティブネットワーク(BankART1929、黄金町エリアマネジメントセンター、象の鼻テラス)が主催する期間限定ショップで、私たちBankART1929が運営事務局となっています

横浜にゆかりのある作家・クリエイターのグッズを多数お取り扱いしている中から、今回は横浜トリエンナーレ出展作家さん4名のアイテムをご紹介いたします!

まずご紹介するのは SIDE CORE さん
グラフィティアートがあしらわれたTシャツや展示をまとめたZINE、壁掛けのシルクスクリーン作品を販売中です
特にTシャツはクールなグラフィティアートが胸元や背面にあしらわれながらも、カジュアルなデザインとなっています👕

次にご紹介するのは 富山妙子 さんの絵はがき🖼️
横浜トリエンナーレの展示作品も一部ポストカードになっています
また、絵はがきの売り上げは富山さんが生前に応援していた「国際人権NGO アムネスティインターナショナル日本」に寄付されるとのこと!
絵はがきの購入が世界の誰かを救う活動につながっていきます🫱🫲

続いてのご紹介は 丹羽良徳 さん
過去に出版された書籍から5冊のほか、ナップサックと大小の缶バッジを販売しております📚
書籍はもちろんのこと、真っ赤な布地に書籍から引用した文章が映えるナップサックも人気です✨

最後にご紹介するのは 山下陽光 さん
洋服のリメイクブランド「途中でやめる」から、トリエンナーレのタイトル「野草」にちなんだ「野草Tシャツ」を販売!
そのほか、ブランドおなじみの「まるT」などいくつかTシャツを取り揃えております🧵

今回ご紹介したアイテム以外にもさまざまな商品を販売中😉
ショップ入場は無料です✨皆さまのご来店を心よりお待ちしております

テキスト・写真:今井
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創造都市20周年記念「横浜クリエイティブCOOP」
会期:2024年3月15日(金)~ 6月9日(日) 10:00~18:00
定休日:毎週木曜(4月4日、5月2日、6月6日を除く)
会場:BankART KAIKO ショップエリア
横浜市中区北仲通5-57-2 北仲ブリック&ホワイト 1階

https://bankart1929.com/…/artists/yokohama-creative-coop