この日も妻有を巡る。主に川西の作品や十日町の作品、キナーレを見る。お昼は、小嶋屋さんのへぎそばと天ぷら。地元のお酒「天神囃子」にメンバー感動。最後は、アントニーゴームリーの作品。田んぼの稲穂が美しい。夜帰浜。疲れているようだ。
スクールでは、五十嵐太郎・磯達雄のゼミが始まる。
横浜から越後妻有へ。ソウル市と北緯37度線上で繋がる越後妻有。今年の続・朝鮮通信使2010の最終目的地だ。中里、ポチョムキン。津南の金九漢、蔡国強作品など。松之山のボルタンスキー、黎の家、キョロロなど。
松代・農舞台ではスタッフの皆さんがお迎え。地産の野菜などのおいしい昼食。ギャラリーで行なわれていた地域の昔の遊びのワークショップに興味津々のキム・カーンさん。午後は、農舞台周辺を見学。夢の家、オーストラリアハウス、脱皮する家などへと足をのばす。芝峠温泉「雲海」でお風呂、そのあとBankART妻有 桐山の家へ。
夜には、アングラハムさんや開発さん率いるオーストラリアハウスチーム、新潟日報の方などなど多くの方々が集まって下さった。農舞台の関口さん、大木さん、山田さん、小倉さん、こへび隊、そして地域の人たち等総勢40名ほどに。最終地点にふさわしく、とても盛り上がった。
朝鮮通信使 韓国の人たちは今日はフリータイム。
主に東京。
朝一番で横浜戻りのメンバーもいたが、残りは大阪から新幹線で名古屋へ移動し、主に「あいちトリエンナーレ」を見てまわる。
愛知芸術文化センター会場、名古屋市美会場をみて、移動の途中で味噌煮込みうどんを食す。濃厚な味噌の味と固麺が特徴。
その後、納屋橋会場、長者町会場にちらばる作品群をみてまわる。ヤン・フードンなど、機材トラブルなどでいくつか見られなかった作品もあってちょっと残念。しかし、かなりの作品を効率よく見学。
会場内では、村田峰紀氏が無言でパフォーマンス中。
BankARTでお世話になっている、淺井裕介氏、木村崇人氏の作品もたっぷり堪能。
夕方、あいちトリエンナーレ・サポーターズクラブ「LOVEトリーズ」のベースステーションとなっているATカフェでN-markの武藤勇さん待ち合わせ、食事へ。
事務局をしっかり取り仕切る吉田有里さん、パフォーマンスを終えた村田峰紀さんとも合流し、夜の作品もすかさず見学して、新幹線に飛び乗り、ホーム横浜へやっと帰ってきた!!
でもまだ、続朝鮮通信使は終わらないのだ!(つづく)
船で名村造船所跡のクリエイティブセンター大阪のドックに横付け。
大阪市住之江区北加賀屋の4万平米。千島土地株式会社の方が出迎えてくれる。2004年に、新しく動き出したこのビックプロジェクトの施設と概要をアートコンプレックスのスタッフの猪股さんが案内してくれる。まだ建物全ては使用されていないが、将来にむけて可能性が広がりそうな空間群だ。今日は音楽イベントの準備をしていた。
船の旅はこれでエンド。鍵本船長、川本副船長は、涙がでそうなお別れの乾杯ラッシュを受ける。本当にわがままな航行を引き受けて下さった。感謝。
地下鉄で、大阪の生野区鶴橋のコリアンタウンヘ。藤井薫さんを中心にした水都の会の人たちが出迎えてくれる。ここは1500年も前から、朝鮮半島の方々が住まれている場所云々等、歴史的な話や朝鮮通信使に関連する話などを伺う。若いチームのリーダーからは今現在抱えているコリアンタウンの話。都市的で豊かな内容だ。ちなみに生野区の人口は14万人程度。そのうち約20%の3万人が在日だそうだ。
そのあと、商店街の人たちなど十数人が集まってくれて宴会。韓国勢の人たちは、久しぶりの韓国料理で緊張が少しほぐれたようだ。これまで中川氏が撮影してきた写真群をプロジェクターで披露。長い旅もこれで一区切りだ。今日は新大阪泊。一部が先に横浜に戻り、一部は明日愛知トリエンナーレ行きだ。
最初の予定では牛窓から神戸まで立ち寄る場所はなかったが、なんとか船長が時間的にいけそうだ、ということで、古代から朝鮮半島との関係が深い備前に立ち寄る。船で日生(ひなせ)につけ、電車で伊部(いんべ)に移動。備前焼の里だ。時間がないのでピンポイントで、目があったお爺さんの陶器屋さんに入る。ヒット。次から次へと面白い話をしてくれる。製造工程を順繰りに奥の部屋まで案内してくれ、最後は登り窯まで見せてくれた。英語と日本語のチャンポンで、韓国人のような顔つきのおじいさんが語る語る。おみやげにカエル。
大急ぎで、復路の電車に飛び込み日生に戻り、室津へ。漁港だ。船、あるいは旗や衣装が目立つのか、降りた瞬間、料理屋をやっているという女将が声をかけてくれる。通信使のことを話すと、詳しい人がいるからよんであげるということで、本当に詳しい方が45分間、案内をしてくれた。室津は、通信使ではとても重要な潮待ちの港。ここから播磨灘に入っていくと島がなくなる。遠浅の海岸が神戸まで続く・・・・。などと瀬戸内海のまた新しい構造がみえてくる。
江戸時代、基本的には、二階建ての住宅は許されていなかった。表側からみると一階建て+倉庫に見える建物が、実をいうと二階の奥座敷は、高い天井が確保され、豊かなつくりになっているというような建築的な話をしてくれた。派手ではないが、まちなみが自然な感じで保存されており、歩いていて心地よい。港で紹介してくれた女将の店(センター)で新鮮な魚を食する。上手い。蠣のシーズンもとてもいいそうだ。また訪れたい。
神戸。ポートタワーの真下に横付け。神戸港には船長の知り合いもいて結構すごい場所に繋留。昭和2年に建てられて旧生糸検査所へ。神戸市の本田さんが中を案内。横浜にも旧生糸検査場はあったが、それと異なってつい最近まで使用していたので、内部は綺麗に保たれている。二年後のクリエイティブセンター設立に向けて、現在アーティスト達が暫定使用している。この秋には一部着工するそうだ。総面積が16,000平米、事業費が20億円という。友人の廣中さん(神戸芸術工科大学)もゼミで活用中。キャップハウスのミーティングも行われており、藤本由紀夫さんや杉山知子さんにも偶然ミート。あと加藤義夫さんにも。前々日、小豆島のシンポジウムで同席した齋木崇人氏(神戸市統括監)たちが、迎えてくれた。
高松から犬島へ。花崗岩(犬島みかげ)の産出で知られ、大正8年まで島の東南部で銅の精錬を行っていた。島には朽ち果てた精錬所の煙突が残っている。アーティストの柳幸典氏が十数年前から取り組んできた犬島のアートプロジェクト。現在、「精錬所」は、建築家の三分一博志氏による自然エネルギーを活用した建物と、柳さんの作品等で構成されている。
島ではいくつかの新しい家プロジェクトも進行中。犬島の家プロジェクトは、古い住宅を改修するのではなく、新しくデザインされた構築物からなっている。設計は妹島和世氏、キュレーションに長谷川祐子氏。柳さんの作品がいくつか展開されている。
小豆島(しょうどしま)へ向かう。浜辺のスー・ドーホーの作品は、遠くからみると漁業用の網にしか見えないが、近づいてみると、金銀色の小さな人型が精巧に連続して繋がって構成されており、目がまん丸。韓国の作家ということで、韓国チームで撮影。
バスをチャーターし、山中へと入る。海の景色とは一転、木々の香りと風が心地よい。明日開催のシンポジウム会場はお楽しみとして、作品鑑賞と散策しながら歩いて山をくだる。