2024/6/8 sat.
写真 blanClass










こんにちは!
BankART実験広報部の劉です。
本日はBankART Life7の展示と並行して行われている「多様な地図で巡るツアー」の最終回、「パブリックアート、いまここで生きてる」のヨコハマポートサイド地区編に参加しました。🚶♀️🚩
このツアーでは、村田真さんと飯島悦郎さんによる作品解説を交えながら、分かりやすく楽しく多くの作品を見ることができました。
天候にも恵まれ、風も涼しく、絶好のツアー日和でした。☀️
初めてのツアー参加だったので、とてもワクワクしながら巡りました。☺️
横浜駅で集合し、まずは彫刻家の菱山裕子さんの「Flowering」を見ました。この作品は繊細で非常に大きく、生命力を感じさせるものでした。
次に、建築家の矢萩喜從郎さんの作品を見ました。矢萩さんの作品は鏡のような素材で作られ、大きな鏡のオブジェクトには穴があいています。歩きながら近づくと目の錯覚が起き、どちらが穴の部分かわからなくなるという、とても面白い作品でした。
街を歩くと、至る所に彫刻家の岡本敦生さんの作品がありました。一見、車止めの石に見えますが、その石のモニュメントは長く続き、やがて石の集落へと導いてくれます。この作品は学生とのワークショップで制作されたもので、みんなが集まって作品を残していくことによって、作家だけでなく、制作に参加した学生や関わった地域の方々がより愛着が湧き、街をより好きになるのだと感じました。
ヨコハマポートサイドロア前広場で、エットーレ・ソットサスさんの「THE FAMILY」を見学。この作品は人と人との触れ合いをキーワードとし、家族をイメージしています。見ていくうちに、ある位置から見ると各オブジェが一つに合体したように見えました。それぞれのオブジェが異なる表現をしているにもかかわらず、全体として多様で一体感のある一つのオブジェに見えます。この異なる個性が融合して多彩な家族を形成している様子が伝わり、「FAMILY」というタイトルが非常にふさわしいと感じました。
その後もいくつかのパブリックアートを見て、今回のツアーコンダクターの1人である村田真さんのBankART Life7出品作品「上の空」を鑑賞しました。この作品は、世界の様々な名画の空だけを抽出して描いたもので、ガトーよこはまのカフェ部分の上の壁面で展示されていました。カフェを楽しみながら、厶ンクの叫びなどの有名な絵画の空の部分が絵画として飾られており、カフェを楽しみながら、有名な絵画の空から色んな時代や場面の空を絵から感じ、空の繋がりを楽しむことができました。
最後にはラム・カツィールさんの「Grow」です。この作品は火・水・土・風・金属など自然界の様々な要素を吸収してできた作品であり、未来を見つめ希望に向かい成長しているのを表現しています。作品では磨いているところと磨いていないところをわけ、光が当たっている部分に磨きがかかっており、金の光を浴び、未来を見つめているように見えました。作品全体から生命力と前向きなエネルギーが伝わってきて、見る者に力強いメッセージを送っているように思いました。
今回のツアーでは、昔のものから新しいものまで多くの作品を見ました。横浜在住の参加者も何人かいて、「普段通らないところなので、こんな素敵な作品があるとは知らなかった」とおっしゃっていました。そして普段あまり行かない場所に行き、普段は意識しないで生活している中で見落としていた作品を改めて見ることで、その街の歴史と私たちの関わりを知るきっかけになると思いました。
今回紹介した作品以外にもたくさんの面白い作品がありました。また、ツアーを回っていく中で、ヨコハマポートサイド地区の作品以外にもたくさんの作品について知ることが出来ました。ツアーは本日で終了しますが、ぜひこの記事をきっかけに、散歩がてら街に潜むアートを探してみてください。思いがけないアートとの出会いを楽しんでいただけることを願っています✨
特にパブリックアートを巡る横浜の街歩きには、コンダクターのおふたりが出版された「横浜パブリックアート大全」を手にお出かけされることをお勧めします。
こんにちは!
BankART実験広報部の福谷です。
本日は最近BankARTから刊行した書籍「横浜パブリックアート大全」の著者、飯島悦郎さんと村田真さんが率いる横浜のパブリックアートを見て回るツアーに参加してきました👣
パブリックアートを巡るツアーは今回で2回目です。
このツアーはLife7最終日のツアーと合わせて計3回行われる予定ですが、参加者の中には全通する予定の方も!✨
私は今日が初参加なので、パブリックアートとは何なのか、基礎から聞いていきたいと思います。
今回はみなとみらい21地区編。JR桜木町駅に集合し、ツアースタートです!
最初に飯島さんから横浜のパブリックアートについて説明がありました。
みなとみらいではまちづくり基本協定で建物を建てる際にパブリックアートをつくることが決まっていて、建物の中や付近には何らかの作品があるそうです。初期は海とか風のような地域にちなんだ作品が多かったけど、最近はあまり関係ないものが増えているんだとか🤨
その辺りも含めて見ていこうと思います!
まず最初に向かったのは県民共済プラザビルです。
ここには日本で初めて品川〜横浜間に鉄道が開通し、まだ桜木町駅が横浜駅だった頃を描いた浮世絵が飾られています。
次は日石横浜ビルへ。
屋外にはイタリアの大理石でつくられた大きなオブジェ、ビルの中にも3つパブリックアートがあります。
隣の横浜銀行本店ビルの前にはとても大きな赤いオブジェが👀こちらなんと風によってゆっくり回転しているんだそうです。
ここで気がついたのですが、飯島さん達の解説を聞かないとこれらのパブリックアートの作品名や作家、コンセプトがわかりません。つまりキャプションがどれもないんです。
何故ないのか村田さんに聞いてみたところ、パブリックアートは芸術作品としてありがたがるより日常の中にあるものとして親しんで欲しいからあまりキャプションがつけられていないそうです。
確かに大きなオブジェなどはアートだとわかりやすいですが、公共の椅子として使える作品だったり建物の一部にあるものは一見わからないこともありますね。
そのあとはぴあアリーナの壁画、高速道路ランプのオブジェを見て横浜コネクトスクエアへ。
コネクトスクエアにはLife7の出展作家さんである野老朝雄さんの作品があります!
野老さんのデザインが壁や床に施されており、パッと見はおしゃれなデザインの建物という印象です。
よく見ると端に野老さんのロゴや作品ページに飛べるQRが設置されています。
アートを日常にするのもいいですが、私はぜひその作者や作品について知りたいと思ってしまうので、このように知りたい人だけ知ることのできるような工夫は良いなと思いました✨
そのまま道に沿って進みます。それだけでも5つ6つパブリックアートを見ることができます。
グランモール公園にあるジェットコースターのような巨大なパブリックアートは皆さんも一度は見たことあるかもしれません。この作品は風の通りや流れを意識し、たなびく雲をイメージして制作されたそうです。高さは17mもあります!
そのあとはクイーンズスクエア内のパブリックアートを見学しました。ここの作品は壁、床に大きく描かれているのに今まで気付きませんでした😵驚きです。
そのままみなとみらい駅周辺を散策し、途中の公園や建物にある作品を見ていき、グランモールを抜けて、最後はBankART Stationで解散しました。
ツアーの時間は2時間ほどでしたが、それだけでも30作品以上見ることができました!しかし横浜市内には約300点ものパブリックアートがあるそうなので、これでもほんの一部です。
参加者の方々は熱心な方が多く、解説付きで聞けるのはやっぱり良い機会のようで、メモをとって真剣に聞いてる人が多くいました。
今回のツアーコンダクターの飯島さんと村田さんが共同で出版された「横浜パブリックアート大全」には、そのほとんどのパブリックアートがマッピングされ、作品、作家名共に紹介されています。
今まで街中でパブリックアートを見かけても深く知ることがなかった方は多いのではないでしょうか!
ぜひこの機会に、「横浜パブリックアート大全」を片手に街歩きをしてみてください😼
こんにちは、BankART実験広報部のとうです。今回は、「Retouch」というモニュメントをモチーフにした写真作品を制作された佐藤邦彦さんにインタビューをさせていただきました。
– 今回の作品について教えていただけますか?
佐藤: 横浜にあるさまざまな発祥の地を示すモニュメントを撮影した写真シリーズです。「Retouch」というタイトルなのですが、写真を撮影した後に、そのモニュメントに書かれている碑文をフォトショップで削除しています。
– 主にどの辺りで撮影を行ったのですか?
佐藤: 横浜の関内エリアにあるモニュメントを中心に撮影しております。
– この作品のコンセプトについて教えてください。
佐藤: モニュメントの碑文をレタッチして消しましたということなんですけど、言葉があると人って安心できるというか、モニュメントを見て、言葉が目に留まって、なんとなく意味を認識する。ただそれ以上に興味を持つことなくそこで終わってしまう。けれども モニュメントから文字を消してしまうと、急に落ち着きがなくなって不安な感じがしてくる。意味のある対象がただの物になる。そうすることで、初めてそこで示されている言葉の意味や、物体としての造形に目を向けるようになるのではないかと考えました。
– なぜ文字を消すことにこだわったのですか?
佐藤: 写真でもアートでも、キャプションを見て何となく「理解した」ような気になってそれ以上見ないという経験があると思います。モニュメントの碑文は、ある意味で「歴史のキャプション」のようなものだと考えていて、それを消すことで観る人が歴史を考えるきっかけになるかなと思いました。
– つまり、観客に「想像に任せる」ということですね?
佐藤: そうですね。たとえば展示作品の中には新聞の発祥の地が2つ、公園の発祥の地が2つあります。どちらかが嘘だということではなく、表現を変えることでそれぞれ確かに発祥の地を示している。それらを見比べると、発祥とは一体何なんだろうという疑問が浮かんできます。他にも海水浴発祥地と言われる場所があるけれど、縄文人も海で泳いだだろうし、何を持って発祥なのかなど、そういったことを考えるきっかけになればいいなと思っています。
– 発祥や発明について考えると、定義するのが難しいですね。
佐藤: そうですね、電話の発明はエジソンなのかベルなのかなど、特に発明などは同時多発的に起こったケースが多いと思います。このようなオリジナルを主張する際に、歴史の編集的な側面があらわれると感じています。言葉を少し変えるだけで、どこでも「発祥の地」を主張できる。横浜だけでなく神戸や長崎にも「日本発祥の地」があり、世界を見渡すとどこかに「世界発祥の地」がある。言葉で説明されていることを深く考えてみると、いろいろなことが見えてきますね。
– 「Retouch」というタイトルも意味深いですね。
佐藤: 文字をレタッチして消しましたというだけでなく、私なりの美意識で写真が魅力的になるようにレタッチを施しています。世の中に流通する写真は何らかの形でよりよく見えるようにレタッチされているはずです。写真以外のものはレタッチされていないのだろうか?言葉は?歴史は?そのようなことを考えていました。
佐藤さん、ありがとうございました。
このインタビューを通じて、「Retouch」の背後にある考えが少しでも伝わると嬉しいです。
こんにちは!
BankART実験広報部の福谷です。
今回は「うつを向いて歩こう」という作品をつくられた矢内原充志さんにインタビューさせてもらいました🎤
矢内原さんの作品はなんとお洋服です👕展示形態の違うお洋服や布には一体どんな意味があるんでしょうか!
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___矢内原さんについて
矢内原:SUTUDIO NIBROLLという、企画・デザインの会社をやっています。渋谷の桑沢デザイン研究所っていうところに行ってる時にいわゆるストリートブランドを立ち上げて、それがキャリアのスタートですね。そこから2〜30代はほぼアパレルの世界にいました。30代半ばぐらいに横浜に移ってきて、福祉から文化財からリゾート施設から病院、いろんなところでブランディングの仕事をやるようになりました。そういう経歴なので服は縫えます。今着ている服は自分でつくったものです。
___作品「うつを向いて歩こう」について
矢内原:この作品も全部自分で縫ってます。これはある2、3ヶ月の考えたことを形にしたもので、何かを目指してまとめたものっていうふうにはあんまり考えてなくて。これをつくっている時ちょうど友達が亡くなったぐらいのタイミングでテンションがうつむきだったので、通勤エリアの途中で下を向いて写真を撮って、同スケールで生地にして服にしました。技術としては写真を繰り返し配置したときに違和感がないようにだけはしています。
___パターンの写真について
矢内原:写真はスマホで撮っています。うつむいて色々撮ってるうちにここちょっと前まで海だったのかもとか、もっと昔は土とか砂利だったかなとか色々想像するようになって、昔のなにかとアスファルトで舗装されるもっと前の記憶みたいなもので何かできないかなと思って、パッと思いついたのが2種類のパターンがてれこ(※入れ違い)になるみたいな構成で、それって脳漿族のパターンでもあるなと思い、2枚の要素をてれこに並べるテキスタイルっていうのを服にしてみた。これとか普通に桜木町の駅ですね。
___展示の仕方の違いはどういう違いですか?
矢内原:全部うつむいて撮ってるものがネタではあるんですけど、それにさっきのてれこにするとかの要素を入れてみたやつと、それにさらにグラフィックを入れてみたものがこっちのTシャツです。
___Tシャツの作品について
矢内原:これは服をつくってる人はわかるかもしれないんですけど、脇線がないんです。どういう構造かというと、開いたらこの形、型紙1枚だけです。主に2工程でつくれるから誰でもつくれる。そうやって工程を簡単にしていくことで専門的な技術がなくてもつくれるみたいな、裾をちょっとあげるぐらいの感覚で誰でもつくれるような構造を考えてみたものです。
___型紙を公開する予定とかありますか?
矢内原:型紙のライセンスを開放したり、就労支援施設とかに指導に行ったりとか、そういうのは考えてますね。
___端切れとシャツの作品について
矢内原:今回、服をつくり始めるにあたって一番最初に考えたことは、服をつくるテンションが下がってきた10年だったってことだったんだよね。東京からこっちに引っ越して一段落して、なんかもうこれ以上新しい服いらないんじゃないか病みたいになって、皆つくってるし、ゴミいっぱい出るしとか、そういう気持ちになっちゃったなと思って。また動き出すために何しようかなってもののトライアルがこれ。これはシュレッダーリングって言って、シュレッダーかけるみたいに過去俺がつくった倉庫に余ってた端切れを全部この同じ大きさの長方形に切っていくっていうのをやったんですよ。その切ったやつを量産台に乗せてこの版で同じプリントを全部にした。ちゃんと乗ったり乗らなかったり色々あるんですけど、そのうちの11ピースを使ってこの服ができてるんです。
___壁に展示されている端切れはまた別のものですか?
矢内原:これはまた別のトライアル。これ(シャツの下に展示されている端切れ)はなんでこの形なのかわかる?ヒントは僕が今治市出身ってこと。そうフェイスタオル。今治で最も効率よくプリントできる形。値段も1プリント何十円の世界でできる。こっち(壁の端切れ)は横浜でやってみたやつなんだけど、これは頼んだTシャツ屋さんのMAXサイズの32cm×40cmのシルクスクリーン。こっちはね、いわゆる顔料ってやつ。あっちは染料。ちょっと生地に馴染むような染めと一緒で、こっちはTシャツと一緒で顔料。薄くしか乗らないやつとか色々ある。
___使われている生地に意味とかありますか?
矢内原:柄に意味はなくてその都度つくったやつ。何かいいと思うシャツ地を糸からつくったり、かつて2次加工したもの。オリジナリティがある自分が書いたペインティングの柄とかいっぱいあったんだけど、そういうのは案外過去のBankARTのインスタレーションで使いきってたりしてあんまり余ってなくて、何でもないデニム生地とかが割と余ってる。捨てちゃえばいいんだけいいんだろうけどね、性分だね。なかなか捨てきれないので、その都度想い出があるので。それを使っています。
___この端切れはこの後どうなるんですか?
矢内原:この後はもう頑張って、服になるかバッグになるかわからないけど、なってもらわないと困るよね(笑)。
___今回のテーマが都市なんですけど、矢内原さんにとっての都市について聞かせてください。
矢内原:漠然としてるなあ、なんだろう。都市って横浜のこと?…. 都市的な風をした田舎って感じかな。イメージとしては、東京と俺の生まれ育った今治で比べたら横浜は今治寄り。つまり田舎。東京に近くて栄えてるし人口も多いんだけど、結局横浜っていう街は今治みたいだと思うことが多い。あそこで何かやりたいってなったら、「ああ、そこの土地持ってるの同級生の親戚だからこの誰々ちゃんに連絡すれば使わせてくれるよ。」とか、港で何かやりたいって言うと「港の管轄してる人は誰々さんのいとこだから連絡して許可取ったらいいよ。」とか、そういう狭い繋がりの中で何かを実現できるのが田舎だと思っていて、横浜はそれに近い。だから僕は横浜という都市がどんなとこかって言われたら、自分が暮らしてる都市風の田舎。だから暮らせてるんだと思う。東京は住んだことがあるけど繋がりがつくれなかった。スタンスが違うんだと思う。
___今後の宣伝等あれば!
矢内原:STUDIO NIBROLLのサイトでご相談いつでも待ってます。
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洋服に詳しくない私にも丁寧に説明してくださってとてもわかりやすかったです!
矢内原さん、ありがとうございました!
矢内原さんの作品はこちらから↓
STUDIO NIBROLLのサイトはこちら↓
こんにちは!
BankART実験広報部の福谷です。
今回は村田真さんにインタビューさせてもらいました!
村田さんの作品「上の空」は、ポートサイド地区にあるガトーよこはまというお店の店内に展示されています。
村田さんの絵画について、詳しく聞いていきます🎤
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Q.お名前、作家名を教えてください!
村田:村田真です。よろしくお願いします。
Q.今回の作品のコンセプトや狙いはなんですか?
村田:そもそもあれは5、6年前に描いた旧作なんですけど、タイトルが「上の空」というもので、西洋のいわゆる近世近代絵画で結構空はみんな広く描かれているということが気になっていて、特にフェルメールのデルフトの眺望という風景画なんですけども、画面の3分の2か4分の3ぐらいは空だけで覆われていて街の風景は下の方の4分の1ぐらいしか描かれていなくて、現代的な視線で見るとなんでこんなに空が必要なのかなという思いがあって。他の絵を見てもモチーフは戦争だったり略奪している場面だったり、激しいドラマチックな絵でもやたら空が描かれていて、ずいぶんアンバランスだなというふうに思いまして、じゃあ空の方だけに注目してみようかなと思ったのがきっかけです。「デルフトの眺望」というのは実はもう20年ぐらい前に一度空だけ描いたことがあって、本当に上半分だけ切り取るともう空だけしかない。馬鹿馬鹿しいといえば馬鹿馬鹿しいんだけどこれは何か面白いなと思って。で、5、6年前にそれだけを集中して描いたというのがそのシリーズですね。
Q.すごい上の方に飾ってあるのは何か意味があるんでしょうか?
村田:あれは、タイトルを何にしようかと思って、半分が空だから「上の空」がいいかなって冗談みたいなタイトルにしたんだけど、下半分で何か争いごととかやっていながら上半分は悠久の時が流れているっていう、永遠を表わしているのかなと。空から見れば地上でやってることなんて上の空だみたいな、そんな仕組みもあってそういうタイトルにしたんだけど、上の空だからなるべく上の方に展示した方がいいかなという思いもあって。あの会場は元から風景画が展示されていて、上の方が空いてたからじゃあ逆に下の絵を全部取り払って、なるべく上の方に展示してみるかと。来た人も上の方に目線が行くようにしてみようかなということで、上に展示しました。
Q.普段から絵を描かれているんですか?
村田:はいそうです。カタログがあればわかりやすいんだけど、普段は絵を描いてるっていうか、上の空もそうなんだけど、元々前からあるいわゆる名画みたいなものをモチーフにしてそこに何か描き加えたり、ある部分だけ切り取って拡大して描いたりとか、自分で何か絵を描くというよりも描かれた絵をアレンジするっていうようなことをずっとやっていまして。だから絵を描くというよりも、「絵」を描く、というふうな、ちょっと絵を一旦括弧に入れてそれを相対的に見てみるっていうふうな方法ですかね。
Q.それをすることによって伝えたいこととかあるんですか?
村田:絵画の面白さですね。絵画というものが不思議なものであるとか、何でこんなものを何万年も前から人間は延々と描き続けてるのかっていうそういう不思議さとか奇妙さみたいなものを伝えたいなというのはありますね。
Q.村田さんにとって、今回のテーマである都市、横浜について教えてください。
村田:僕は東京生まれで今も東京にいるんで、横浜っていうのは他の都市なんですね。東京っていうのはもう都市というより一つの小さな国家みたいな、都市国家みたいな感じがあるので、横浜はその意味では本当に典型的な都市のようにも見えますね。中心部と郊外があって、どんどん開発されて、っていうふうに見ると横浜は捉えやすい都市だね。アートと絡ませて言うと、もっともっと美術的な要素があっていいと思うし、横浜って380万人ぐらい人口がいるんだけど、美術館ってまともなのは横浜美術館くらいしかない。同じくらいの人口でいうとロサンゼルスがそうなんだけど、横浜美術館クラスのものが7、8館あるんですよ。横浜美術館よりもすごいやつもいくつもあるし、それに比べれば横浜は本当に少ない。400万近い都市としては美大が2つ3つあってもいいし、美術館も2つ3つあるべきだし、ギャラリーももっとあるべきだなと思いますね。逆に東京にはもう美術館がそれこそ何十も何百もあって、美大も5つも6つもあるから、やっぱりそっち(東京)に行ってしまうから横浜に必要ないのかもしれないんだけど、横浜を一つの都市として、独立した都市として考えればやっぱり少ないなというのが実感ですね。
Q.横浜ってパブリックアートがたくさんあると思うんですけど、何か決まりがあるんですか?
村田:建物を建てるとパブリックアートをつくるっていう決まりがあったのはみなとみらいだけなんですよ。あそこが街づくりの基本として最初に、建物を建てたら何か芸術的な要素を加味するっていうことを決めたらしくて、それが条件になっていると大体みんなパブリックアートをつくってくれるって言うことですね。あと90年代ぐらいにパブリックアートのブームがあったので、その頃ってちょうどバブルの頃で再開発も多くて、横浜でも上大岡とかポートサイドとか何ヶ所かの再開発が進んでいたので、どこの開発地区でもパブリックアートを積極的に導入したっていうのはありますね。
Q.何か今後の宣伝とかあれば!
村田:最近BankARTから刊行した書籍「横浜パブリックアート大全」はほぼそのパブリックアートを全部網羅してるんで、ぜひ買ってほしいです。ハンディーなサイズで小さくてポケットに入ってどこでも持ち歩けるような形なので、1人1冊、皆さんお買い求めいただければ街歩きが楽しくなりますということで、よろしくお願いします。
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村田さんの作品が展示されているガトーよこはまさんのケーキはとても美味しいので、ケーキを食べながら村田さんの作品を見るのがおすすめです🍽️
村田さんの作品はこちらから見れます↓
村田さんありがとうございました!
6月1日に、アート&デザインの街「ヨコハマポーサイド地区」のツアー#2を実施しました。19名の参加者の内、ポートサイド地区に初めて来たという方が、半分以上です。「アート&デザインの街」というイメージが参加者に響いたらしく、どんなところなのか興味津々な様子が伺われます。
コースは#1の5月11日と同じですが、前回見られなかった展示場所に入れたり、少々変更ありの行程となりました。ポートサイド地区の成り立ちや展示作品については、#1レポートも併せてご覧ください。
ツアーの様子は、写真でご紹介します。
なお、前回は見られずに今回のツアーで見ることが出来た作品はこちら。
横浜クリエーションスクエア・アトリウムで、その他展示されている作品をご案内して、解散となりました。
横浜駅からすぐそばでこの地区の名前はなんとなくは知っていたが、高層住宅だけでなくお店もけっこうあるからと、作品を展示するお店で買い物を楽しんで下さる方もいらっしゃったり、水辺に思いのほか近い、など、参加者の皆さんは様々な感想を伝えてくださいました。ヨコハマポートサイド地区及び周辺の街を存分に楽しんでいただけたようでした。
文章・写真 BankART1929スタッフ 大蔭直子
5月6日(月・祝)は、みなとみらい21地区の屋外作品を巡りながら、中谷ミチコアーテイストトークが開かれました。当日は、みなとみらい駅で集合でしたが、さすがに休日ともあって、たくさんの人でにぎわっていました。
最初は、駅改札外コンコースの小林椋作品「岸に置いてある水に瞬く眺めをしばしばと」です。ゆっくりゆっくり腕を振りまわす動作を続ける作品は、信号伝達させる「腕木信号」の動きになぞらえて、新橋―横浜間に最初に鉄道が開通した歴史を思い起こさせます。規則的というよりか不可思議な動きを見せる作品に、参加者は思い思いの場所から熱心に動画を撮っていました。
作品が置かれたみらいチューブコンコースから、クイーンズスクエア横浜に移動しました。今回のトリエンナーレでは、横浜美術館、旧第一銀行横浜支店、BankART KAIKO、元町・中華街駅連絡通路と、ここクイーンズスクエア横浜の2Fクイーンモールにも作品が置かれました。北島敬三+森村泰昌の作品です。ここは、トリエンナーレ開幕直前まで大規模改修工事が行われていて、通路全体が仕切られ見通しも効かなかった場所ですが、その囲いも外され開放的になったモールの両側に壁一面に掲げられた4枚の肖像が、私たちを見下ろしていました。
クイーンモールを後にして、パシフィコ横浜を通り過ぎ、ぷかりさん橋に向かいました。このぷかりさん橋は、以前シーバスの発着地でもあったのですが、現在は使われておらず臨時さん橋として利用されています。近日にカフェがオープンする予定ですが、トリエンナーレ期間中は作品展示場所として暫定的に利用が可能となった場所です。
ぷかりさん橋の名のとおり、水の上にぷかりぷかりと浮いています。ここでの作品展示は、中谷ミチコ「すくう、すくう、すくう」。奥能登芸術祭2020で発表された「掬う、救う、巣食う」の一部を再構成して展示しました。
作品を前に、作家が自らの作品にかける思いを言葉にしてくれました。
元旦に起きた能登半島地震。復興もままならない中で迷いを感じながらも、作品の原型の「手で水を掬う動作」をしてくれた珠洲市飯田町の人たちを想いながら展示を決めたという語りかけるような言葉が胸に響きました。
作品は購入も可能。売り上げは被災地へ寄付予定とのことです。
この日(5月6日)は、通常は作品保護のため仕切っているチェーンを外して展示空間まで入場し、作品を真近で見ることが出来ました。参加者は交互に入場しながら、じっくりと観覧していました。実は、チェーンはビーズがつながれた作家の特別仕様なのですが、このことに気が付いた参加者から「雰囲気に合っていて感動した」と、作家に話しかける場面もありました。
空間と作品に堪能したツアー参加者には、サプライズで作家のサイン入り特別はがきが配られて、解散となりました。
文章:BankART1929スタッフ 大蔭直子
2024/6/1 sat.
前回と灯台の場所が変わり、ルートも変わりました。
前回が最近の開発の目まぐるしい港周辺を巡るルートだとすると、今回はグッと遡って港の歴史も盛り込んだルートになっており、その丁度中間に大東さんは光っていました。
周辺の光と共に水面が揺れて、ずっとみていられる風景でした。
文・写真:blanClass
こんにちは。BankART実験広報部の傳田です。
今回は岩竹理恵さんに引き続き、片岡純也さんにインタビューをさせていただきました。
片岡さんは、基本的にモーターなどを使って動く物を制作しています。
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___どのように作品を作っているんですか?
片岡:使ってない工具を片付けしていて、これを作品の動力に使えないかと思い、その形や仕組みの特徴を別の事象を起こす装置に転用しました。円盤の中でボールがコトコト落ちてくる作品(バンドソーによる球の運動)は、バンドソーのノコギリが通るローラーを利用してベルトを通し、力を伝えています。バンドソーの角度の延長線上に自然と円盤の位置は決まっていきます。
___このやじろべえのような作品はどうやって動いているか不思議です。ペンと木はくっついてるのですか?
片岡:くっついてないです。指先で探った木の枝の重心をペン先にのせています。ヤジロベエと同じ原理で、ペンをグラグラ動かしても木の枝はゆらゆらするだけで落ちません。
___どうして思いついたのですか?
帰り道にふと様子のよい枝を見つけて、指先にのせてバランスをとって歩いていたんです。それが面白いと思って。まずペンにのせてみて、次にちょっと離れたとこから見たいと思ってペンをコップに立てかけてみたら、いよいよ様子がよくてこれは作品になるなと思いました。
日々のささやかな発見から作品にしています。昔から人の話を聞いているときとかに手が無意識に動いてしまうことがよくあって、 紙をクシャクシャにしてみたり、ペンのバランスをとってみたり。そういう手遊びってその感覚が自分にとって心地よいことなんだと気づいてから、無意識にやっていることをあらためて気付いてみようとしています。
___この布団の作品も、動かしてみてできたのですか?
寝床を整えるため、シーツを両手で勢いよく広げたときシーツに空気がくるまって膨らむのが心地よくて、何度も繰り返していたときに、まさに無意識にやっていることに気がつきました。
__岩竹さんは、これが海の波みたいに見えるともおっしゃっていました。
片岡:身の回りのものごとや日々の所作から、スケールの違う物理、数式に表せそうな摂理のようなものが見えてくるのが面白いなと思っています。
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片岡純也さん、岩竹理恵さん、インタビューありがとうございました!!
片岡さんの作品は普段の生活の動きから着想を得ているということが非常に興味深いと思いました。岩竹さんとの制作スタイルの相違点についても知ることができました。
お二人は来年、神奈川県立近代美術館で展示をするそうです。そちらも見に行きたいです。
片岡純也+岩竹理恵