Event
BankART AIR 2021 SPRING アーティストトーク スタート@Station
現在開催中の「BankART AIR 2021 SPRING」の関連プログラムとして、恒例の週末のアーティストトークが始まった。コロナ禍の中、人数もアルコールも制限しての会だが、作家も一般の方も皆さん熱心に参加してくださっている。本日は4名の作家の発表。土屋氏は以前ロンドンで行ったインスタレーション作品を中心に作品を解説。片岡+岩竹の両氏は、先年東京都現代美術館で行った作品を中心に作品の成り立ちを話された。窪田氏はずっと継続している衣類を使ってのプロジェクトの紹介。秋山氏は、これまでの都市で行っている様々なプログラムや現在取り組んでいる焙煎をテーマにした活動について話された。
次回以降の日程は下記より
http://www.bankart1929.com/bank2020/news/21_019.html
BankART BLOGリニューアルのお知らせ
2021年4月よりスマホ用のブログを開設しました。
ぜひ、ご覧いただければと思います。
https://note.com/bankart1929
2021年4月
BankART1929
横浜台北交流事業「都市の連鎖」最後のプログラムは、台湾料理のワークショップ、台湾の伝統的な人形劇「布袋劇」の実演と解説、そして映画「台湾、街かどの人形劇」の3本立て@Station
「台湾料理ワークショップ」
[A:30日11:00~13:00、B:30日17:30~19:30、C:31日11:00~13:00、D:31日7:30~19:30]
瀬谷区でお菓子工房を営む台湾生まれの高崎継民さんと、全体コーディネートもしてくださった青井亭菲さんによる台湾料理ワークショップでは、水煎包や台湾炒米粉(焼きビーフン)、キュウリや茄子の涼拌(冷菜)、ピータン豆腐、豆花や杏仁豆腐のデザートまでを実演実食。コロナ対策もあり参加者とわいわい一緒につくることはできませんでしたが、日本で手に入る素材や調味料に置き換えられたレシピは、すぐに家で作りたい!という参加者には嬉しい配慮。その背後ではフェイさんが、パートナーで明治大学教授の青井哲人さんと街並み研究で台湾各地を訪れた際に撮影した写真の中から食にまつわるものをスライドショー。その解説トークを楽しみながら台湾の地に思いを馳せつついただく台湾料理は、素朴で優しい味でした。
「著微布袋戲(チョビホテイギ) 人形劇団」 チャンチンホイ
[30日13:30~14:30、31日13:30~14:30]
日本で唯一の台湾伝統人形劇団「著微布袋劇(チョビホテイギ)人形劇団」を主宰する日本人チャンチンホイさんによる「布袋劇」の実演と解説。チャンさんはこのコロナ禍で約1年間、人前で実演する機会がなかったとのこと。日本で人形を使った劇といえば文楽などを思い出しますが、伝統布袋劇はもう少し小さな人形で、演者はときに人形の一部や小道具等も自作します。伝統劇は今は失われつつある台湾語が基本ですが、台湾語を話す人も聞いて理解できる人も少なくなり、細やかな動きの美しい静かな心情劇から、現代では殺陣などが中心のわかりやすいものが増えているといいます。実際の布袋劇は台湾の人々にとってどんなものなのか、質疑を受けながらの解説で「布袋劇」への興味と理解が深まります。
映画『台湾、街かどの人形劇』
[30日15:00~16:50、31日15:00~16:50]
「台湾、街かどの人形劇」(字幕翻訳:青井哲人+亭菲)は、そのチャンチンホイさんの師匠の師匠にあたる台湾の人間国宝、チェンシーホァン師が主人公の映画。同じく人間国宝で布袋劇の大家であり俳優としても活躍した父、李天禄との奇妙な確執や、現代における伝統の意味、生活から離れて政治に振り回されてしまう文化の憤りなど、チェンシーホァン師を追う10数年に様々な思いが込み上げてくる珠玉のドキュメンタリー。要所で映し出される師の手の美しくしなやかな動き。映画の最後では、人間の生き様の美しさと儚さそのものを表しているかのようにみえました。
横浜台北交流事業「台北の創造都市最前線-場の再生と創造産業・スタートアップ支援-」
鈴木伸治氏(横浜市立大学の教授/都市デザイン)は、実際にTemporaryに登壇し、林 崇傑氏(リン・チュンチェ/台北市産業発展局長)は現地からリモートで参加。
鈴木氏の台北市の文化芸術事業の発展や横浜市の創造産業の立地分布図の紹介の後、林氏からは創造育成基地のプラットフォームの立ち上げについての説明があった。特に台北の現代青年に対しイノベーション思考を促すために5つの戦略を掲げ進行してきたが、その成果は、今日の台北市の若い創業者を支えているとのこと。林氏のプレゼンを通して、台北市の「アジアで創造産業に最適な都市を立ち上げたい」という目標への意志を強く感じる事ができた。
日本と台湾、あるいは横浜と台湾はこれまでも深い絆で結ばれてきたが、これからも都市間交流を通して、お互いに刺激し合い、世界の創造産業の担い手へと成長していくにちがいない。
横浜台北交流事業2020年度「都市の連鎖」 サンドラム ストリートライブ「台湾の少数民族を巡って」
2021年3月23日@R16スタジオ(高島町)→ BankART Temporary(馬車道)
「都市の連鎖」第二弾は、2014年度に横浜市台北市のエクスチェンジ作家として台北に派遣した無国籍系音楽チームのサンドラム。今回は坪内あつし、菜央、荒井康太、横手ありさ、善財和也の5名が参加。
台湾滞在時、先住民の村を訪ね歩いた彼らは、村の人たちとともに歌い、踊り、口承でいくつもの曲を教わってきた。現地で学び、彼らなりにアレンジした曲を中心に、ストリートライブを行なった。R16スタジオでアカペラで数曲披露後、次の舞台へみんなで歩いて向かう。東横線廃線跡高架下の長い歩道、桜木町駅、新設のさくらみらい橋から市庁舎を抜けてBankART Temporaryの3Fへ。お祭りで歌われる賑やかな楽曲からしっとりとした心地のよい音楽まで、マスクをしていても観客みんなが笑顔になっているのがわかる。彼らの子供たちも、父ちゃん母ちゃんに負けじとステージ上でリズムに乗って踊りまわる。まさに家族総出演の心地の良いパフォーマンスだった。
横浜台北交流事業「都市の連鎖」プログラム 「台北レジデンスアーティスト鼎談」
台北国際藝術村アーテイスト・イン・レジデンスを経験した作家、磯崎道佳氏と細淵太麻紀氏と、さっぽろ天神山アートスタジオAIRのディレクター小田井真美氏がゲスト。
磯崎氏は、2014年度のレジデンスの生活と制作を日記風に紹介。特に日本でも大きく報道された「ひまわり学生運動」での自らの関わりなどの様子を紹介した。ちなみに台北国際藝術村は、立法院(日本の国会議事堂)と同様、占拠地区にある。
細淵氏は台北の街のリサーチと街中での建築物の一部を活用して行なった自身の作品プロジェクト(ピンホールカメラ)の説明を行った。
小田井氏は、自身が、何故天神山で台湾とのレジデンス交換プログラムを行っているか、続けているかについて語った。
参加者からは、台湾政府とアーティストとの関係性とその影響力、あるいは台湾のアートについて経済の動きと日本の状況の比較などの質問があり、議論は定刻を越えて賑わった。
ふたつのお月さん 2021年3月13日
1昨年、R16スタジオで閉じられたコンクリート部屋の中で一週間、「ひきこもり」を行った渡辺篤さんが、今度は国道16号線沿いの自身のアトリエを開き、豊かな表情のお月さんを披露している。(17〜21時30分 3月21日まで)直系3mの円盤に、世界中の人が撮影した1,000枚にも及ぶ月のデータを集め、それをコーディネート、映像化して、ひとつのお月さんの満ち欠けを演出している。R16スタジオは文字通り国道16号線上にあり、いつもならいそいそと歩道をいく人は、道に咲いた不思議な月の花を驚きながら、でもその優しい表情に安堵を感じながら見入り、立ち止まっている。
もうひとつの月は、みなとみらい線の新高島駅の近くの高層ビルの建築現場だ。鹿島建設が推進するその建物の高層部分は、ほぼボリュームができあがり、現在はそのサイドに計画されている2~3F建ての飲食モールが建築中である。その延長線上には、近い将来プラネタリウムとして開館される、大きなコンクリートの球体が姿を現しはじめている。遠くからみるとガスタンクのような趣だが、高速道路と高層ビルに囲まれた不思議なポジションにたつ不思議な存在は、歩く人に渡辺さんの月と同様に、束の間の安堵を与えてくれる。強い光を放つ発光体である太陽に比べて、月は世界中のだれもが接することができるやさしい存在だ。全てを受け入れる受動体としての柔らかい月の表情は都市には少なからず必要なものだ。
和光大学 表現学部 芸術学科 卒業制作展 2021「cocoon」 2021年3月12日
和光大学芸術学科の卒業制作展 が始まった。
BankART Temporary全館(馬車道)と横浜市市民ギャラリー(野毛山)を使っての広域に広がる展覧会だ。出品作品は現代美術、デザイン、アニメ-ション(キャラクター)、映像作品、文章など、これまた広領域に広がっている。そんな欲張りが、ちょっとハードルを上げてしまっているのか、観覧者は少し少ないように思う。先生曰く、「今年は大学院にいく人も、就職する人も、うまくいってるとはいえない」と、これまたコロナ禍の中、少し厳しい現況についての言及。日本の大学の中で、横断的なクラス(教育)を推進してきた歴史ある大学なだけに次への一歩の構築を目指してほしい。