BankART出版紹介 vol.7 小さな未来都市『新・港村』

『新・港村はあらゆる国と種類のクリエイターが働く蜃気楼のような小さな未来都市です。』

「新・港村」の挨拶はここから始まる。

横浜トリエンナーレ2011の特別プログラムとして、8月6日から11月6日の期間限定で、横浜・新港ピアにて突如として出来上がった小さな未来都市「新・港村」。そこに住む住人(村民)は国内外の約150のアートイニシアティブチーム達。はたしてその村で何が起きていたのか。本著はその記録を辿る記録集である。

ページをめくると、4400平方mの巨大な建物の中で、住人であるアーティスト、クリエイター、NPO、オルタナティブスペース関係者等による展覧会やパフォーマンス、制作活動、レクチャーなどの記録や、新・港村Cafe LIVEや大野一雄フェスティバル、展覧会「横浜プレビュウ」などの様子が写真やテキストからうかがえる。さらに、「新・港村」の空間や意義に関して、BankART代表池田修氏とみかんぐみ・曽我部昌史氏による対談や池田氏による寄稿文などが掲載されており、ミクロな視点だけでなくマクロな視点からも同プロジェクトを考察することができる。

あらゆる国と種類のクリエイター達が横浜に集まった全80日間。本からでも伝わってくるクリエイター達による熱気をぜひ感じていただきたい。

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新・港村 小さな未来都市(2012年5月発行)
B5判 272ページ
2,400円+税
ご購入希望の方は、ホームページをご覧ください。
http://www.bankart1929.com/bank2020/book/index.html

BankART出版紹介 vol.6 『美食同源』

横浜・馬車道にあったBankART19292棟を始め、関内外広域で展開された「食と現代美術」の記録集。「食と現代美術 part1」(2005年)と、続編にあたる「食と現代美術 part2」(2006年)の内容を紹介。合間には読み応えあるコラムもあり、全160頁にわたる充実したフルコースのような図録である。

地図を眺めて店名を確認すると、聞き覚えのある名前が多いが現存しているのはどれ位だろうか。「横濱芸術のれん街」と称した周辺の飲食店を舞台にした企画では、食をテーマに制作された作品が、1作家1店舗の組み合わせで展示された。食器として供されるもの、什器に擬態したもの、作家本人がふん装して出迎えるパフォーマンス。設置というよりも潜入という感覚が近い。

「横浜 食の展開」の章では、横浜の郷土酒とも言えるビールや、横浜での都市農業について、歴史や展開が解説されている。また老舗店や新参店のオーナー達へのインタビューも収録されている。開店当初のエピソードや店名の由来など、歴史を感じる逸話もあり興味深い。

15年も前の出版であるにも関わらず、まるでこれから開催されるイベントを心待ちにするかのように、記された作品それぞれへの興味が尽きることはない。本書を片手に想像力をかきたてながら、かつての横浜に想いを馳せ、新鮮な視点で街を歩くこともできるのではないだろうか。

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『美食同源』[現在、在庫なし]

監修:井上明彦、編集:BankART1929

A5判 160ページ
2006年2月発行

いちはらアート×ミックス鑑賞ツアー

千葉の市原市で開催されている、「いちはらアートミックス」の鑑賞ツアーを開催。船頭は、アートフロントギャラリーの原蜜さんと奥野恵さん。乗船者はバンカートの新旧スタッフ10名プラス1名だ。事前にきちんとしたツアー計画とタイムスケジュールがセットされていたので、朝9時〜夕刻4時まで(食事時間込)の短時間で新旧のゾーンの主な場所を鑑賞することができた。

個々の作品にも触れるべきかもしれないが、今回は全体の印象だけにとどめたいと思う。

線路沿いのプログラムと聞いていたが、実際には1/時間の電車でツアーするのは難しいらしい。我々は車2台に分乗して現地を駆け巡った。それにしても、今回も北川フラムさんらしく、広いエリアの不思議な場所を巡らせるプログラムだ。これまでの妻有や瀬戸内とどこが違うかというと、いいにくい言葉になるが、前者二カ所は、過疎は進んでいるが、建物や自然はやさしく、こちらを迎えてくれる雰囲気が残っており、尖っていたり、痛々しくは感じない。ところが、今回巡った場所は、「廃墟」そのものの場所が多く、昭和の時代にせっかちにつくられてきた日本の郊外都市の、せっかちな崩壊を露骨に感じてしまう空間なのだ。作家の大半が、その状況をとらえ、「バナキュラー」な印象から出発し、そこにあるものを引用し、作品化しているものが多いし、それはそれで、きれいなもの、豊かなものもあるが、ときによっては見る人に「いたたまれない哀しさ」を与えてしまう行為のようにも思えるのだ。「どう感じたらいいのか」わからない感覚に陥ってしまう。もっと自分勝手に、この滅び行く空間から自立して、間違っていてもいいから好きなように、新しいメッセ—ジを送ってくれたら、なんてことを思ってしまうのだ。

展覧会として意図した部分は十分伝わってくるし、いくつかの力強い作品にも出会えたし、全体としては楽しく巡る事はできたが、そこから先、我々はどこに向かい、共働してけばいいのか?北川フラムさんは、何をみせたかったのだろうか?この問いかけには短い時間では、答えはでないようなツアーであった。

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右の男性:原蜜氏、中央緑の服の女性:奥野恵氏

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高橋啓祐「いつもの時間」

2022年12月29日 @北仲ブリック&ホワイト歴史広場(BankART KAIKO外)
BankART KAIKOがある帝蚕倉庫の復元施設、北仲ブリック&ホワイトの歴史広場に、高橋啓祐氏の映像作品を挿入した。横浜市が推進するイルミネーションのイベント時期に併せての開催。昨年のドライエリアでの展示に続き、今年は壁面に映像を投影。3つのゼンマイ仕掛けの時計を羊や象などの動物たちが忙しなく動くことで、時を刻むアニメーションを投影。長針が12時に重なると、文字盤が開き、パフォーマーの映像などが展開する。年末で、寒く慌ただしい時期であったが、早足で歩く通行人も、この映像の前では足を止め、写真を撮ったり、子供たちもぴょんぴょん跳ねたりしながら映像を楽しんでいる様子が見られた。道ゆく人の気持ちを落ち着かせてくれるような作品だ。

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高橋啓祐「いつもの時間」
2020年12月8日から2022年1月30日まで 17:00~24:00
北仲ブリック&ホワイト歴史広場(BankART KAIKO外)

BankARTschool ヨコハマみなとみらい物語Ⅲ 神奈川大学

みなとみらい物語は、急ピッチで開発が進んでいる「みなとみらい新高島地区」を中心に、その歴史や開発の仕組みなどを考えるゼミである。今回は、みなとみらいに新しく校舎を設立した神奈川大学の事務局の3名からお話があった。

1人目の講師である田島和久氏は神奈川大学の沿革について、2人目の講師である高嶺徹氏は、キャンパスの整備計画について、3人目の講師である田中純平氏は、大学の地域社会との連携について、それぞれ講義を行なった。

講義終了後は、受講者も興味を持った方がたくさんいたようで、質問も数多くあった。実際、市民に開放された本棚や食堂、学内外の起業志望者や中高生を対象としたプロジェクト、隣接した資生堂など民間企業との共同事業など、従来のイメージの“学校”とは異なる、オープンで地域と関わり合う大学を目指していることがよく伝わってきた。一般市民は校舎内に立ち入ることすらできない大学なども多くある中で、地域の市民と交流するだけでなく、実際にプロジェクトを協力して行っているのは非常に進歩的であると言える。

一方で、やや形式的な発表だったことも否めない。大学が推しているはずの建築学科の教諭ではなくゼネコンに新校舎の設計を依頼した理由など、深掘りして聞きたいトピックは講義になかった。神奈川大学が今後、みなとみらいの車輪の一つの中心になっていくためにも、さらなる斬新なアイディアと学生を伸ばす学校づくりに期待したい。

左から、田島和久氏、高嶺徹氏、田中純平氏

BankART出版紹介 vol.5 『100人先生~横浜の東アジア』100人の市民先生による100の講座

学校の黒板と思わしき背景。何やらおじさんが学ランを着て両手を広げている姿。そして、100人先生というタイトル。表紙からコミカルな雰囲気がただよっているその本を手に取ってみると、それは総勢100人の市民たちが先生となり開講された様々な講義の記録集となっていた。

本著「100人先生〜横浜の東アジア」は、作家の開発好明氏が企画したものであり(表紙のおじさんが開発好明氏)、BankART LifeⅥ「東アジアの夢」のプログラムの一つとして開催。201581日から113日の95日間 BankART NYKにて、タイトルにある通り100人の市民が先生となり100の講座が開催された。期間中は、市民先生が日頃あたためていた「実は得意なもの」や「みんなが知らないこと」を中心に授業が行われた。

100人の市民先生による講義をすこし覗いてみることにしよう。開発好明氏による「応援先生」を皮切りに、「空気よめない先生」「古代火起こし先生」「美術とエロ先生」「震災避難者先生」「ふんどし先生」..ユニークなタイトルに好奇心をそそられるが、それに負けじ劣らず個性的な先生たち。彼ら・彼女ら自身がそれをこよなく愛していることが本からでも伝わってくる。どれも魅力的な講座だが、個人的には「段ボール先生」「セルフビルド先生」「不法占拠先生」あたりを受講したい。ホームレスにでもなるつもりなのかと思われそうだが(笑)

最後に、開発氏は「100人先生の魅力は、『誰もが先生、誰もが生徒になれる』」と述べる。人と比べて自分は劣っていると感じる競争社会の中で、短所ばかりに目を向けるのではなく、自分の好きなものや自分にしかできないことに目を向けよと、思考の転換を促しているように感じる。さて、私は何の先生になれるだろうか。

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開発好明『100人先生 -横浜の東アジア』(2015年7月発行)
A5判 96ページ
880円(税込)
購入希望の方はホームページをご覧ください。

YPAM2021 – 横浜国際舞台芸術ミーティング

2021年12月1日〜19日
@BankART KAIKO & BankART Station

「YPAM」と聞くと、「?」となる人もいるかもしれない。これまで「TPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜」と称していたイベントが、「YPAM – 横浜国際舞台芸術ミーティング」と名称を変え、この度新たに開幕したのだ。YPAMとは、国内外の舞台関係者が、公演プログラムやミーティングを通じて交流するプラットフォーム。BankARTでは、舞台芸術のプロフェッショナルによるトークを中心とした交流プログラム「YPAMエクスチェンジ」と、公募プログラムである「YPAMフリンジ」を開催している。

「YPAMエクスチェンジ」は、12月1日(水)〜 16日(木)の期間のうち11日間、1日3コマ程度行われた。(詳細はYPAM2021プログラムを参照)コロナの影響で海外のクリエイターの来日が難しくなったが、オンラインでタイ、韓国、中国、台湾、カナダ、アメリカ、オランダ、オーストラリア…など世界各国から舞台関係者が登壇した。聴衆も同様に海外から多くの参加があったようだ。物理的距離があっても世界中が参加する本プログラムは、コロナ時代の新たな国際イベントの姿といえるだろう。

「YPAMフリンジ」は、BankART KAIKOで『空間と戯れる音たち』(
恩田晃他)というライブパフォーマンスやその他、連日、一流のパフォーマーが、音、肉体、空間、時間を駆使して、表現の極限に肉薄する内容の発表が続いている。また、BankART StationではベテランのARICAの『ミメーシス』の連続公演が続く。

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以下、
YPAMフリンジ企画『空間と戯れる音たち』
撮影:前澤秀登

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シュウゾウ アヅチ ガリバー 作品を語る

115日からBankART Stationにて「シュウゾウ アヅチ ガリバー 作品を語る」という連続講座が開催されている。2022年10月にBankARTにてシュウゾウ・アヅチ・ガリバー氏(以下、ガリバー氏)の展覧会「消息の将来(仮題)」を開催予定で、これはその前哨戦となるような講座だ。毎回ゲストを招きながら、謎に満ちた同作家の作家性や作品性に迫っていくわけだが、驚くべきはゲストの豪華さである。美術ジャーナリストの村田真氏から始まり、滋賀県立近代美術館館長・保坂健二郎氏や美術評論家・福住廉氏、横尾忠則美術館・館長補佐兼学芸課長の山本淳夫氏などが、独自の切り口から同作家の作品を語っていく。

ガリバー氏がどのような人物かはぜひチラシやネットにある情報を読んでもらうとして、ここでは既に終了した第一回目(11/5)と第二回目(11/26)の所感を述べたい。本講座は、前半はガリバー氏、後半はゲスト講師の話が展開される。はじめに断っておくが、ガリバー氏はどの回も話は脱線し、「あさっての方向」に突き進んでいく。言うまでもなく、これは作家を揶揄する意味ではなく、それが作家の個性でありユーモアであると思うからだ。さて、そんなこんなでしばし参加者は置き去りになるのだが、話の節々に作家の核となるような部分が見え隠れする。そして、毎回のゲストが独自の視点で語っていくことで、現代のアートシーンに触れながら、客観的にガリバー氏の作品を紐解いていくことができる。特に、第二回目では保坂氏が文化人類学者・ティム・インゴルドの著作「メイキング」を引き合いに出し、同作家は「つくるというより対応している」と述べていたことが印象的だった。

この後も年をまたいで続々と講座が開催される。ぜひ、この機会にシュウゾウ・アズチ・ガリバーという人物や作品に触れていただきたい。

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以下、第一回目[11/5]

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シュウゾウ・アヅチ・ガリバー氏

村田真氏

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Tanker Project – Prologue:Road to documenta fifteen 展スタート!

2021年11月19日(金)-28日(日)  BankART KAIKO

11月19日から28日まで『Tanker Project Prologue』というタイトルの展覧会がBankART KAIKOにて開催されている。今、インターネットによって世界が“統一される”ことで軋轢が生まれている。それを乗り越えるため、“仮想と現実の海に、アートのエネルギーを載せて航海する”というのが本展のコンセプトである。

会場に足を踏み入れると、まず視界に飛び込むのが天井から吊り下げられたタンカーの精巧な模型だ。栗林隆のこの作品は、現実の中の“想像上の海”に浮かぶタンカーをイメージさせる。小さな巨船は植物を大量に積載し、一つの島のように独立した生態系が世界を旅しているかのようだ。

その奥には電球が巻きついた小屋がある。そこにはサーカスのようなどこか懐かしい賑やかさがある。Cinema Caravanの本展示は、逗子海岸映画祭を再現したそうだが、まさに自分が移動したような感覚に包まれる。

キューバの風景画のパズルが崩れた向こうに本物の写真があるというカルロス・ガライコアの作品や、カメルーンで人気のボードゲームが置かれた“移動式カフェ”など、外国の作家の作品も、移動というテーマを日常に設営するのに大きな役割を果たしている。

全体として“移動”というテーマでまとめられていることが、一つ一つの作品の個性を際立たせており、とてもワクワクする展覧会となっている。一つ残念なのは、Caravanや光る矢印のサイン、二台とそれを曳く自転車などが、入った時に正面から見えないことだ。会場に足を踏み入れた瞬間、異世界へ移動したような雰囲気を作れれば、一歩目から“日常の延長としての移動”を感じられたかもしれない。

以下、主催者より

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Tanker Project – Prologue: Road to documenta fifteen 展 開催中!

Tanker Projectは、作家・栗林隆が長年温めてきた、タンカー船を改造し、自由に動く島をつくりたいという思いをもとにArtTankと発起したプロジェクト。現代の様々な場所で生じている軋轢を乗り越えるアートエネルギーを船に載せ、世界中に届ける構想です。インターネット上の仮想の海から始動し、実現に向けて活動する過程の一つ一つを現実世界の展覧会やプロジェクトに仕立てながら、本物のタンカー島の就航を目指し進めていきます。

このたび、栗林隆と乗船アーティスト CINEMA CARAVANが、ドクメンタ152023618日―100日間)参加決定したことを機に、キックオフ展を開催する運びとなりました。テーマは 「旅・移動・Lumbung(ルンブン)」です。

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出展アーティスト・団体: 栗林隆(日本)、志津野雷(日本)、CINEMA CARAVAN(日本)、バルトロメイ・トグオ(カメルーン/フランス)、バンジュン・ステーション(カメルーン)、カルロス・ガライコア(キューバ/スペイン)、アーティスタ×アーティスタ(キューバ)。

旅・移動      世界のあちこちで移民についての考え方が社会問題となっていた近年、突如地球を覆ったコロナ禍は、私たち人間の様々な移動について根本的に問い直す契機となりました。Tanker Project 構想の源にもまた、場所(土地)を巡る人間の諍いから自由を求める希求が、あるいは、様々な地域の差異を前提とした共生する社会を実現したいという思いがあります。バルトロメイ・トグオ(カメルーン) 、カルロス・ガライコア(キューバ)、栗林隆(日本)、志津野雷(日本)は、それぞれに、旅や移動をテーマとした作品を作り続けています。アフリカから見える格差と移動(移住)、西欧から「発見」された新大陸から見る人間の移動の意味、溢れる情報を疑う旅、地球の美しさと営みを探求する旅とその表現は様々です。彼らの作品を通して、私たち人間がなぜ移動し続けるのか、再考する契機となれば幸いです。

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Lumbung(ルンブン)とはインドネシアの米蔵とそれを管理する共同体を差す概念で、来年開催されるドクメンタ 15のテーマ です。上記の4名の作家たちには、それぞれの故郷や拠点でライフワークとして取組む活動、チームがありました。Tanker Project は、アーティストだけではなく、作家たちの創作の源となる思いや活動を共に載せ、航海していきます。これまでの概念では、アーティストとは呼ばれない活動やチームも、Tanker Projectにおいては、大切なエネルギーを創り出すアーティストなのです。こうした活動やチームのことを、ドクメンタ 15では、Lumbungと呼んでいます。CINEMA CARAVAN(日本、逗子)、Artista X Artista(キューバ、ハバナ)、Bandjune Station(カメルーン、バンジュン) という 共同体(活動体)をアーティストとしてご紹介いたします。

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そして、ドクメンタ15への道、と題したドローイングも展示販売中です。CINEMA CARAVAN+Takashi Kuribayashi のドクメンタ15作品制作資金となります。ドローイングのご購入を希望される方は会場にてお声掛けいただくか、プロジェクトホームページのコンタクトフォームよりお問い合わせください。

https://tanker-project.com/contact/

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展覧会名:「Tanker Project PrologueRoad to documenta fifteen タンカープロジェクト ー プロローグ:ドクメンタ15 への道」

主催:ArtTank

協力:BankART1929  

会期:20211119(金)― 1128日(日)

会場:BankART KAIKO (横浜市中区北仲通5-57-2 KITANAKA BRICK&WHITE 1階)

時間:11:0019:00 (会期中無休)

料金:700円(中学生以下及び、障がい者手帳お持ちの方と付き添い1名は無料)

トークイベント:

1123日(火・祝) 17:30 : YATAI- Road to Documenta15 トーク   ※予約優先

登壇者:栗林隆、YATAI TRIPメンバー _ 溢れる情報を疑い、境界を旅することで世界を再認識する旅 「YATAI TRIP」。 ドキュメントを観ながら、栗林とYATAI TRIPメンバーが語ります。

1127日(土) 17:30  Swells of WAVEMENT TOUR ※ ご自由に参加いただけます。

2007年の夏、海から原発や放射能の現実を学び、意識を共有した旅「WAVEMENT TOUR」。発起人の一人 志津野雷と参加者たちが、それぞれの場所で今なお感じる旅の共振を確かめ、これからの活動のビジョンを語ります。

横浜フランス月間2021「遥かなる都市」展 開催中!

2021年11月18日〜12月5日 @BankART Station

以下、主催者より

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今年で16回目を迎える「横浜フランス月間2021」のメインプログラムの一つとして、都市をテーマとした展覧会「遥かなる都市」を開催。

ウーゴ・ラ・ピエトラ、スーパースタジオ、ハウス・ルッカー・コーをはじめとした1960~70年代のイタリアやオーストリアのラディカル運動を代表する世界的な建築家集団から、ルイージ・ベルトラム、ジョルディ・コロメール、アレン・ルッパーズバーグなど、現代のフランスやスペイン、アメリカの先鋭的なアーティストたちにいたるまで、彼らが都市を研究の対象として、また実践の場として、そしてパフォーマンスや議論が生まれる場として映しだした多彩な映像作品群を通じて、都市の姿を多角的に捉えることを試みる。

出展作家(*アルファベット順)

アレン・ルッパーズバーグ、アント・ファーム、アーキズーム・アソチアティ、オレリアン・フロマン、チャールズ・シモンズ、ダフネ・ベンゴア、ジョルディ・コロメール、ジュリアン・プレヴュー、ハウス・ルッカー・コー、ルイージ・ベルトラム、スーパースタジオ、UFO (ラポ・ビナッツィ)、ウーゴ・ラ・ピエトラ

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Archizoom Associati (Andrea Branzi), No-Stop City (1971),
Courtesy Collection Frac Centre-Val de Loire

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横浜フランス月間2021「遥かなる都市」展

会期:2021.11.17-12.5 11:00-19:00 
会場:BankART Station[横浜市西区みなとみらい5-1 新高島駅地下1F]
入場料:500円 (障がい者手帳お持ちの方と付き添い1名の方は無料)
主催:アンスティチュ・フランセ横浜 共催:BankART 1929 
特別協力:サントル=ヴァル・ド・ロワール現代アート地域振興基金 (Frac Centre-Val de Loire) 
助成:アンスティチュ・フランセ パリ本部

https://www.institutfrancais.jp/yokohama/agenda/video2021/