アジアンガーデン

ちょっと大袈裟にアジアンガーデン(レストラン)と命名したけど、内実はささやかなテラスだ。河岸に植栽を新規に12基、朝倉さんの残してくれた舞台ユニットを援用しての2F席、タイレストランピーのためのキッチン、リニューアルしたアトリエワンのリムジンカー、みかんぐみの煉瓦キッチン、田中信太郎さんの作品や深沢アートの植栽バスケット、新港で使っていた植栽ポットを24台運び込んでの野菜コーナーなど等。いずれにせよ、いつも緑もなく殺風景な河岸が少しだけ緑のある豊かな空間へ変身した。今後、もう少し進化させようと計画している。

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現代の下岡蓮杖 関本幸治

馬車道の入口(芸大)から少しいくと古いビルの角切の面の3Fぐらいの位置に、セピア色した婦人群像の写真が目に入ってくる。
関本幸治の作品だ。この古い建物は防火帯建築といって戦後、延焼を防ぐ為に都市計画的に計画された建物群のひとつで、関内外地区にも数棟残っていおり、現在都市研究の対象になっている。
関本さんは現代の下岡蓮杖として、この肖像写真を撮影した。
(設置されている作品のすぐ近くには写真の開祖のひとり、下岡蓮杖の碑がある)
婦人群の肖像写真かと思うと、何か人造的な感じがする。そう実際には、人物のフィギュア制作から始めて、着物、下駄、指輪などの小物にいたる迄、全て手作り。それらをセットして一枚の写真を撮影したという大変な労作だ。フィギアの一部は現在BankART Studio NYKに展示している。

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ぴおシティ 楢橋朝子

楢橋朝子の大岡川の水面(水上)から見た写真作品が、北仲地区(弁天橋)から「ぴおシティ」へ抜ける地下通路に展示されている。通常は広告が入る電光掲示板に12点の写真作品が展示されている。以前BankARTが、この界隈で「国道16号線を超えろ!」というプロジェクトを開催したことがある。実際に国道16号線は、旧市街地(野毛地区)と新市街地(みなとみらい)をある意味で分断するように走っており、東横線の廃線(横浜駅〜桜木町駅)跡地の再開発も含めて、大きな難題と可能性を秘めた場所だ。

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宮本隆司 徳之島

石内さんの作品群のさらに奥まった場所に宮本隆司の作品がある。古代から生き延びてきたこの「シダ植物」は、宮本氏の故郷の徳之島で撮影した写真だ。現在、氏はその徳之島で孤軍奮闘のアートプロジェクトを展開している。何故ここに、シダなの?なんて愚問は口にしてはいけない。宮本さんが今投げ掛けている視線(写真)が全てだ。私たちは都心部でそれを共有し、そこから感じる何かをこの場所でリレーすればいい。ここでは何が大切なのか、何を残すべきなのか。

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ランドマークプロジェクトⅤ 石内都

街の中のあき空間や歴史的建造物に積極的に関わっていくプロジェクト「ランドマークプロジェクトⅤ」が始まっている。かつて帝蚕倉庫群があった場所には、石内都のシルクをテーマにした作品群。石内さんは桐生出身で、蚕(シルク)には深く関係しており、「絹の夢」という写真集も出版されている程だ。現在、行方をまっている倉庫建築の工事用仮囲に3mクラスの鮮やかな写真が10点展示されている。帝蚕倉庫は日本の近代を支えた重要な建物で、ここに全国からシルクが集まり、新港ピア(横トリ会場)のあるふ頭から海外に輸出していたのだ。
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東アジアの夢-BankART Life 4

横トリとの連携、「東アジアの夢-BankART Life 4」がスタートした。事情があり計画をしたのが遅くなり、取り組みが遅れ気味だが、今回はアウェイではなく、ホーム(BankART Studio NYK)なので、割と落ち着いて仕事を進めることができた。
BankART Lifeの基本的な考えは毎回同じ。3年間の活動の集大成ということで、プログラムを構成している。特に今年は10周年ということもあり、様々な意味でアーカイブに焦点をあてた。全館使用しての個展のアーカイブ、大野一雄フェスのアーカイブ、これまでの出版物のアーカイブ・・・。4年目に入った続・朝鮮通信使にもファーカスした。(する。これから続・朝鮮通信使2014が始まる。9〜10月は日本韓国中国のツアー)
その他、私たちの基本的なテーマである歴史的建造物や街との関わりのプログラムも概ね実現することができた。(またブログで紹介していきます)

一方、横浜市、光州市(韓国)、泉州(中国)の推進する「東アジア文化都市」の流れもあり、そのキーワードを受けての展開もある。上記の内容を踏まえながら、「東アジア」のエレメントを意識的に反応させたプログラムになっている。
「国境の家」のようにストレートに東アジアを考える作品群を集積したり、新作の場合は必ず、「東アジア」を意識しながら、作品を創ってもらうようにお願いしている。これからも、パフォーマンス系の連続プログラムやunder35等の展覧会の連鎖等、様々なイベントが開催される。
随時、チラシ等を出しながら推進していくので、是非何度か脚を運んでください。(HPもご覧下さい)

東アジアの夢

夢をみた。
遠い昔に別れてしまった大切な人に会う為に、旅にでる夢をみた。
数百年も、数万キロもいっただろうか?どんなに歩いても、その人はみつからない。国を過ぎ、空と海を超え、戦地をくぐり抜け、干ばつと極貧を往く。夜露の中で眠っていると、祖母のような人がそっと銀色の毛布をかぶせてくれる。坂道が続く道では威厳に満ちた大きな馬に乗った人が何キロも引っ張ってくれた。大切な人にはなかなか会えないけど、たくさんの教えを受け、見知らぬ人の優しさに出会う。
それなのに先を急ごうとするあまり、その人たちの家や畑を壊してしまう。本当はごめんなさいを言いたいのに、ごめんなさいも言えずに、後ろを振り向かないで、走り続ける。道で出会った小さな子どもは、はにかみながら臆病そうにこちらを見ているが、通りすぎたあとの背中に感じるのは、憎悪と哀しみだ。
嫌悪と疲れでピークを迎え、本当に大切な人は誰なのかもわからなくなって、どうしてあのときあやまれなかったのか、どうして「ごめんなさい」と「ありがとう」を……。小さな祠で寝入ってしまう。

夢をみた。
白髪の翁がそっと肩に手をかけ、ささやきはじめる。
少し休んだら、またいきなさい。あなたが探している人は必ず見つかります。
あなたが誠実に一歩一歩、旅を続ければ。

あやまるという言葉には、誤るという意味と謝る(感謝する)という意味があること……。
岩からしみでた冷たい水で夢は覚めた。

「かたちの発語」展 Event Program 

蝉丸 Dance Performance 「惜別」 6月14日(土)
蝉丸さんのダンスパフォーマンス「惜別」が、NYKホールの田中信太郎さんの展示「マリアの部屋」のなかでおこなわれました。音楽は山田あずささんのマリンバライブ。一年前に亡くなったお母さんを偲んでの公演です。ひんやりと静かな緊張感に満たされた空間に響くマリンバ、「夕焼け小焼けの赤とんぼ」。白装束の蝉丸さんは、光りと遊ぶ純白の蛾のようにも見えます。流麗で静謐な白の世界と記憶の空に飛ぶ赤とんぼ。
「かたちの発語」展に埋め込まれた白と赤が、身体を通して鮮烈に交錯した一夜でした。

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ミニトマト

この前植えた苗、みどり色ミニトマトがたくさん。雨のおかげ?

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