韓日クリエイター合同展示会「etteda」5th 日本展

Etteda(イッテダ)は「 いまだ! 」という意味の韓国語。日韓両国の若手クリエイターが国境を越え、ジャンルを越え、学校という枠を超え、新しい交流を展開しようするプログラム。今年で5年目。当初は韓国展のみだったが、4年目の五反田デザインセンターでの開催を経て、今年はBankART Studio NYKへ。プロダクト、グラフィック、テキスタイル、油画、映像、写真、建築、パフォーマンス…様々なジャンルの作品が一堂に並ぶ。会期中にはグループワーク、プレゼンテーション、トークセッションと、若いクリエイターの交流に重きをおいた多彩なプログラムが展開された。
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BankARTスクール村田真ゼミ(2~3月BankARTスクール:木曜日)

今期の村田真ゼミは「現代美術のアーカイブーこの30年を振り返る」と称して、主に80年代~00年代にかけてのアートシーンをひもとく講義。特に80年代は、村田氏自身も「ぴあ」編集部のみならず、様々な形で現代美術周辺の動きと並走し、その空気を身をもって体験されてきた時期だ。様々なキーワードや美術史上のトピック、時代の史実などをもとに、ゼミ参加者各々が、当時の時代感を共有していくことのできる貴重な機会だ。単なる懐かしい話とかでなく、30年前に見ていたもの、経験したものを、今現在の視点から捉えなおすことで、現在のパースペクティブに揺さぶりをかけるゼミになっていると思います。

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福住廉 アートの綴り方vol.6(2~3月BankARTスクール:水曜日)

アートについての文章を書く技術を身につける講座。資料やレビューを読み、アーティストについて話を聞き、受講生同士でおしゃべりをし、自分で文章を書く。書いたものには福住先生から赤字ギッシリの添削が戻る、バンカートの恒例講座です。受講生は顔なじみから、静岡からの受講を決意した熱き志の持ち主まで様々。祝日にみんなで展覧会を見に行く課外授業や、夜な夜なの宿題作業や、早速てんこもりのスタート。フリーペーパー「HAMArt!」第6号の発行を目指します。

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横浜市・台北市交流事業にてTAVに滞在する幸田千依さんより

横浜市と台北市の交流事業で台北アーティストビレッジに滞在中の幸田千依さんからの報告メールを2本、ご紹介します。

《2012.2.1》
台北より、幸田千依です!
台北、ついてさっそく、もりだくさんです。
しかしほんとうに、スタッフのひと というか出会う人みな 親切ですてきです。
これからしばらく公開制作をして、三月に展示をすることになりました。
たくさんの人に出会っていきたいです。
台北語も少しづつ教えてもらっております。
台北でのことを綴るブログ「歩く絵がゆく(台北編)」

http://arukue-taipei.blogspot.com/

がんばります!!!

幸田千依

TAVスタッフの似顔絵となまえ↓
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《2012.2.21》
みなさま

おつかれさまです!台北より幸田です
毎日寝る時間が惜しいほど動いています。あたまがぱんぱんですが最高におもしろいです!
3月の20日夕方~23日まで東京に一時帰国します。
3月の20日の夜か21日の日中に BankARTに伺おうかと思っています。
シートンくんげんきでしょうか? 少しお話ししたいです。
またメールします!
3月17日、18日はTAVのオープンスタジオです! 
わたしは多分公開制作して完成した絵のお披露目と覚えた中国語のお披露目
スタジオで毎日つくり足していたカレーを振る舞おうかと思っています。
3月24日~THAVにて 制作した絵の展示はじまります。中国語でスピーチ…します。
そのあと4月の5、7、12日に台北のひとと一緒に「歩く絵のパレード」をやります!
場所や時間も決まりました。
たぶんもうすぐDMができます。
おしらせします!
もりもりだくさんですが、とても楽しみです
今は一日中絵を描いていてへろへろなのと中国語の言葉であたまがぱんぱんなのと
台湾の人の親切さんぶりに胸がぱんぱんです。
はちきれないようがんばります!!

幸田

松本秋則 竹のサウンドオブジェを創ろう(2~3月BankARTスクール:土曜日)

BankART studio NYKがトリエンナーレの会場となっていた昨夏、ひそかに人気を博していたStudio アキノリウム。いっときは1日300人以上の来場があったとか。この場所はもちろんトリエンナーレとは関係なく、BankARTのワンイヤーレジデントアーティスト松本秋則さんのスタジオだ。そんな松本さんのゼミがここアキノリウムで始まった。竹の特性を活かした面白いサウンドオブジェをつくるワークショップ。カットの方法や叩く物のちょっとした工夫で音色の異なる楽器を、受講生それぞれが8回の授業で創っていく。だいの大人が目を輝かせて作品つくりに打ち込む土曜の昼下がりが続いている。

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TPAM開催中

国際舞台芸術ミーティング、TPAM (ティーパム)が昨年から横浜で開催されています。今年も、BankART Studio NYK、YCC、KAATや赤レンガ倉庫をメイン会場に数多くの公演、展示、ミーティング等が行われました。1週間の日程に朝から晩までぎっしりとプログラムが組まれ、観客は創造界隈の複数の会場を行ったり来たり。創造界隈で面的に展開する、密度の濃い演劇フェスティバルでした。「国際ミーティング」の名の通り、海外の有数の劇団や文化施設のトップが多数来日し、自分の活動をプレゼンすると共に、現在の日本の演劇・ダンスに熱い視線を向けていました。イベントの合間には、カフェやパブでもミーティング。バンカートは位置的にもちょうど良い、ハブ的な役割を果たしたようです。TPAMは来年も横浜で開催予定です。
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女子美スタイル2011

女子美スタイル2011が、今年もBankART studio NYK全館を使って開催された。今年のディレクターはこの2年の杉田敦先生に代わり、元熊本美術館館長の南嶌宏教授。面出和子先生や、元国際芸術センター青森の日沼禎子先生等も、準備期間中や開催日も連日出てこられ、職員あげての展覧会だ。大学・短大大学院全体の卒業生の中から200人が選ばれる選抜展なので、もともとレベルはあるのだが、今年もいくつか面白い作品があった。オープニングには久保田弘成のパフォーマンスもあり、また会期中も親御さんの姿も多く、華やかな印象の展覧会だった。

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「ダンスリテラシー 学校教育編」(2~3月BankARTスクール:火曜日)

平成24年度から、文科省の保健体育指導要領が改訂され、中学校でダンスが必修化されます。これまで、ダンスは小学校では必修、中学では選択でした。指導要領は約10年に一回改訂されますが、こうして新しい科目が加わるのはたいへん珍しいことだそうです。とにもかくにも、ダンスをやる人口が飛躍的に増えることは間違いありません。そこでこのスクールでは、この改訂に直接携わった方たちのお話しを伺いながら、なぜどのようにこの状況が創られたのかを検証していきます。また、現場で教える教員、学校でワークショップをやるダンサー等も招いて、座学中心ではありますが、この問題を実践的に知ることができる講座にしています。夏のダンスダンスダンス@ヨコハマの時期には、体育教員の皆さんに参加してもらえる、さらに実践的なワークショップ形式の講座も企画したいと思います。
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コウサ展

専修大学ネットワーク情報学部の学生が主催する展示会。学生の活動や制作物を外部の方に発信したいと、学外開催にこだわっている。デザインやソフトフェア、映像など、学生が約1年をかけて準備した制作物のお披露目の場となるコウサ展は今年度で8回目を迎える。団体ブース発表やステージ発表、ポートフォリオ展示で、熱心にプレゼンテーションする学生が印象的だった。

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BankART Pub Special Events Asako's Bar 2012

野菜ソムリエの佐々木麻子さんの「Asako’s Bar」が期間限定で再スタート。料理研究のために2年間滞在したロンドンから昨年9月に帰国。その後すぐに、BankART1929とSeoul Art Foundationとのアーティスト交換プログラムでArt Space GUMCHEONに約1.5ヶ月間滞在し、韓国料理の研究を行なってきた。1月29日(日)は、 ソウル滞在研究報告と初披露の韓国料理。馴染みのファンが集まってくれた。来週からも横浜野菜を主にした麻子さんの定番メニューのAsako’s Barが続く。2月3日(金)、2月17日(金)、3月2日(金)18:30-23:00

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また、麻子さんより韓国滞在のレポートをいただいたのでご紹介します。

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2006年より約3年間、BankART Pubにて「Asako’s Bar」を営業してきたフードコーディネーター•野菜ソムリエの佐々木麻子です。昨年9月にイギリス•ロンドンから帰国し、11月14日より46日間、「Seoul Artspace Geumchon」に交換レジデンスアーティストとして滞在してきました。

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「Seoul Artspace Geumchon」はソウルアートファウンデーション傘下のアートスペースで、海外からレジデンスアーティストを積極的に受け入れています。私が滞在していた際には、スペイン人2名、インドネシア人2名、日本人1名(私を除く)が海外から派遣されてきていました。また昨年夏には同施設からの派遣でSun ChoiさんがBankARTに2ヶ月滞在しました。その交換アーティストとして、私が滞在していたというわけです。

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滞在中はソウル市内外の食品市場を巡り、食材についての知識を深めたり、庶民的な家庭料理のレストランを食べ歩いて、味を確かめるなどのほか、各展覧会のOpening Partyの料理プランニング•レシピ作成•調理、現地の主婦やフードコーディネーターとのCooking Exchange、滞在アーティストを対象とした日本食のWorkshopなどを行いました。

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キムチ作りが趣味だという清州市の主婦 Damiana Yooさんのお宅に、高速バスで90分かけて伺い、キムチ作りのほか、ミーパンチャン(常備菜)などの家庭料理を習いました。現在、Yooさんは韓国人コミュニティ内でキムチビジネスを始めるため、カンボジアに滞在しています。

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写真は韓国人フードコーディネーターのJina Yooさん。淑明女子大学校に勤務し、KBSドラマの劇中で俳優さん達が食べる韓国家庭料理を作るのが彼女の仕事。仕事が終わってから、何度か「Seoul Artspace Geumchon」にお越し頂き、韓国料理の特長や調理のポイントなどを熱心に教えて下さいました。カナダに滞在されていた経験を生かして、海外のホテルで行われる韓国料理フェアで調理指導などもされています。

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展覧会「局外者」Opening Partyの調理風景。50名分の料理を任されたため、最後の盛りつけ等は海外のレジデンスアーティストの皆さんにもお手伝い頂きました。

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展覧会「局外者」Opening Partyの模様。韓国、日本、オーストラリア、スペイン、インドネシアのアーティストが参加していたため、5カ国を代表する料理を作りました。

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滞在アーティストを集めて、初めての日本食Workshop。実は不注意で親指を切ってしまい、痛々しい感じですが、皆さんにお手伝い頂き、友情が深まった1日でもありました。

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2回目のWorkshopは寿司作り教室。握りの返し方が少し難しかったようですが、なかなか上手に作れました。韓国でも寿司は大人気なので、皆さん楽しんで頂けたようです。

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牡蛎の軍艦巻き、パプリカの寿司も作りました。いつも食卓に並ぶのはキムチ。この日は韓国人アーティストがカクテキを提供してくれました。「Seoul Artspace Geumchon」には大きな冷蔵庫が3台あるのですが、中身はほとんどキムチでいっぱいです。

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韓国でも結婚しない若者が増えており、キムチの作り方もわからなくなっているのが問題になっているとのことで、友人のアーティストがキムチ作りのWorkshopに誘ってくれました。味噌や漬け物の味が各家庭で異なるようにYooさんのキムチとは材料が異なるなど、興味深い点も多くありました。

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滞在最終日、BankARTに滞在していたSun Choiさんの展覧会のOpening Partyの料理も担当しました。韓国と日本のフュージョン料理をコンセプトに、ナムル寿司、チムタクうどん、ホワイトシチュートック、サゴルタン(牛骨スープ)のラーメン、ドングリの粉入りフィナンシェなど、個性的な料理を作りましたが、概ね好評でした。上記の写真以外にも釜山、全州など郊外に視察に行くなど、日々惜しむかのように過ごしていたら、あっという間に46日が過ぎてしまいました。 

 韓国の滞在は10年ぶりでしたが、昔に比べて、近代化された場所、今も変わらず残されている手仕事など、韓国の文化に対する理解をさらに深めるきっかけとなりました。これからも「続・朝鮮通信使」の活動には積極的に参加して行きたいと思います。ありがとうございました。