白神ももこ率いるモモンガ・コンプレックスの、時間三部作「過去」「未来」「現在」の最終章にあたる、「現在」をテーマにした新作を3Cギャラリーで開演。
BankARTでの公演は今回で3回目となる。
1時間の絶え間ない運動(ダンス)。可動式のパネル、空間を斜めに使い距離のあるステージと演出により、いつの間にか、見ているこっちも動いたり、また座っている位置で見えるものが違ったりなど、楽しさと歯痒さ、「現在」を強く感じさせる公演だった。
円錐会「初出展01」、横浜国立大学建築卒業設計展「nomadic exhibition」 2017年3月17~19日
2Aギャラリーにて、横浜国立大学建築学教室の設計・意匠系OB・OG有志を中心とするメンバー「円錐会」の展覧会「初出展01」と、横浜国立大学建築卒業設計展「nomadic exhibition」が開催された。
円錐会はメンバー30組により、初発表プロジェクトの建築模型を発表。模型を見ながら皆で批評や議論、新しい思考を誘発する場を目的とした展示で、本展が最初の試みとなる。昨年、Y-GSAの設立とランニングに強いリーダーシップをとられた北山恒氏が退職されたが、若い世代による活動が、引き続き横浜建築を盛り上げていくことを期待したい。
学群生の卒計展では、nomadic(遊牧民)と銘打っているように、横浜の街にある5会場を19作品が遊牧民のように、ローテーションで会場を移動するという展示構成。街ゆく人に展覧会をアピールしながら、建築模型と街を繋ぎながら横浜の魅力を再発見してもらう試みとのこと。
片岡純也&岩竹理恵 TAV滞在レポートその1
横浜台北交流事業で台北のTAV(台北アーティストビレッジ)に1.5から滞在中の
片岡純也&岩竹理恵のお二人の滞在レポートです。今回は、特別に韓国でのビエンナーレ出品について。
Taipei Artist Village滞在レポート: ピョンチャンビエンナーレに参加
片岡純也&岩竹理恵
ピョンチャンビエンナーレに参加するために1月28日から2月4日まで韓国のカンヌンに滞在し、作品の設置をしてオープニングを迎えた。ディレクターのキム・ソンヨン氏をはじめスタッフのご尽力により最初から最後まで作品展示に専念することができた。テーマに沿った作品が集まっているからか、共感できる作品や意気統合したアーティストととの出会いもあり励みや刺激を受けた。自分たちの作品の展開や今後の課題も見つかった。
ビエンナーレに参加することになったきっかけは昨年の台北での出会いだった。Taipei Artist Village主催によるON SITE ARTFESTが昨年9月に台北エキスポドームで開催された。このイベントはアジアのアートスペースの紹介交流を目的としていて、台湾各地、中国、韓国、日本、フィリピン、 インドネシアなどアジア各国からたくさん参加していた。わたしたちはBankARTブースからの紹介作家として参加し、セロテープの影を拡大投影して月の表面に見立てた作品などを展示していた。そこへBankARTとかねてから交流のあったキム・ソンヨン氏が訪れた。そのときにキム・ソンヨン氏からピョンチャン・ビエンナーレの概要を聞いた。タイトルは”The Five Moons”、これはビエンナーレが開催される土地に伝わる民話から来ているという。キーワードはeveryday life…などなど。 Moon!!!!! everyday life!!! こうして私たちは幸運な出会いをした。それから1か月後に正式にビエンナーレ参加の依頼を受け、セロテープを月に見立てた作品を”Five Moons”に合わせてインスタレーション作品を計画した。
その後、BankARTの交流プログラムによりTaipei Artist Villageにふたたび滞在制作することが決まり、ビエンナーレの準備に存分に打ち込むことができた。台北には当初9月末までの滞在予定だったので、台北スタッフには「次はどこに行くか決まった?家がないんでしょう?」とたびたび心配されていたが、9月末までの滞在予定が11月末までになり、また翌年にも戻ってくることになるなんてあのときはまだ誰も知らなかった。台北-横浜-韓国のアートネットワークの波に乗れた幸運な流れだった。
Sai Hua Kuan氏のパイプ管を使った作品、自分の声や音が不思議な反響で帰ってくる。
Sai氏の作品には片岡の作品やアイデアと共通するものがあり意気投合する、見た目も似ているふたり
国際舞台芸術ミーティング in 横浜2017(TPAM2017) 2017年2月11日~19日
国内外の舞台関係者が、公演プログラムやミーティングを通じて交流する国際舞台芸術ミーティングが、今年も横浜で開催された。横浜では7回目の開催だ。実行委員会に国際交流基金アジアセンターが加わったことで、アジアへのフォーカスが強化され、アジアを代表する舞台芸術プラットフォームのひとつとしてのポジションを確立してきている。一週間、連日、朝から夜までぎっしりとプレゼン、ミーティング、シンポジウム、公演が組まれ、海外の参加者もカフェやパブをよく利用してくれ、大賑わい。さながら「まるで外国」のようなBankARTが出現していた。
TPAM in Yokohama 2017
タン・フクエンディレクション 『サムート・タイ:未完の歴史たち』
(c)Hideto Maezawa