最終回のゲストは、今年水戸芸術館で個展を行った作家、田中功起氏。田中氏は、予備校時代に水戸芸で柳氏の作品を初見。現代美術というジャンルの出会いのきっかけとなったとのこと。
今回は、世代は違うが「アメリカから見た日本のアート」を知る二人を通じ、社会とアートをテーマに田中氏が柳氏にインタビューするような形式で話は進んでいった。
現在、若手を含めた社会的な表現についてどう思うかという問いに「本当は平穏なときに戦っていかなきゃいけない」と述べる柳氏の発言から、日本という国を30年間見続け、戦い続けた柳氏の覚悟をより認識することとなった。質疑応答も多く、最後まで話の尽きない回であった。
Dialog- 柳 幸典との対話Vol.5「新しい世代は柳幸典から何を学ぶか」 岩崎貴宏、水口鉄人、諫山元貴、今井みはる、大橋実咲 2016年10月23日
今日は柳氏の広島市立大学の教え子が集合。ヴェニスビエンナーレ2017日本館代表に選ばれたの岩崎貴宏は、2006年から柳ゼミの助手を通して、プロジェクトの大きな組み立てから詳細までを深く学んだ。百島のプロジェクト等を担当する大橋実咲は柳の個人プロジェクトや島のプロジェクトのアートマネジメントを通して、地域との関わりの重要さを実践している。また今回のミーティングの司会を務めた今井みはるはアートギャラリーミヤウチのコーディネーターで、学生時代、柳に企画を褒められ、作家ではなくコーディネーターの道を選んだという。柳から学んだ「無いなら自分で見つけに行く」ということを今でも実践しているという。諫山元貴は映像作家としてウルトラファクトリーを受賞。アントファームに見える経済システムや犬島のエネルギー循環を体感させる柳の作品に影響を受けた。水口鉄人は柳氏の俯瞰した視点やその場にあるものを利用するところに影響を受けたという。皆さん各人社会に一人だちする時期にちょうど入っており、今後の生き方を巡り、子弟の関係が垣間みれるような微笑ましい話が続く楽しい会であった。
「柳 幸典〜ワンダリング・ポジション」オープン 2016年10月14日
「柳 幸典〜ワンダリング・ポジション」がはじまった。
オープニングレセプションには、懐かしい顔が多数集まった。
今回の展示は、約30年に及ぶ作家活動の集大成(アーカイブ)であると同時に、柳氏が、今後向かっていく世界を示す展示になっている。
まずはじめに1階には、土の玉が浮遊する作品(再制作)。憲法九条をテーマにしたLEDでの新作。初期の名作、ワンダリング・ポジションの大型ドローイング群などが出迎える。
2階に上がると、初期のインスタレーションのドローイングや映像、写真等、戦争や天皇制をテーマにした作品群。アントファームのシリーズは大型作品を中心にコンセプトの強い作品。アルカトラズ(独房)のプロジェクトなどが並ぶ。
3階では、「島」についての構想を展示。犬島作品(瀬戸内国際芸術祭)のモデルを身体的なレベルまでスケールをあげたコンセプトワーク。そして、初公開となるアトミックボム(鉄製/原寸大)。最後に、ゴジラをテーマに幾度もプラン変更しながら、展覧会直前になって決定した渾身の一撃(一作)。
BankART Studio NYK全館に、時代をこえてワンダリングする柳氏の作品群が織りなす豊かで楽しい空間が生成している。
主なプレスを参考にピックアップする(今後もたくさんでるのでまたお知らせします)
NHK 首都圏放送「現代美術作家の作品展 横浜」10月16日
http://bankart1929.com/cms/wp-content/uploads/2016/10/20161016_NHK_NEWS_WEB.pdf
産経新聞 2016年10月20日朝刊 文:渋澤和彦
http://www.sankei.com/life/news/161020/lif1610200031-n1.html
アートWEBマガジン「創造都市横浜」 文:猪上杉子
月刊ギャラリー 2016年10月号 32・33ページ
http://bankart1929.com/cms/wp-content/uploads/2016/10/g-gallery1610.pdf
会期は12月25日[日]まで(会期中無休)
期間中は、トークや関連イベントも開催する。
詳細はこちら
http://bankart1929.com/archives/1079